フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
全米女王アシュリー・ワグナーが語る、
浅田真央復帰と女子3アクセル時代。
posted2015/06/23 11:40
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
ISU/ISU via Getty Images
「NHK杯に出場するのは久しぶり。本当に楽しみにしているんです」
全米チャンピオン、アシュリー・ワグナーは、6月18日に行った電話インタビューでの開口一番にそう口にした。
6月15日に来季のGPシリーズ各大会の出場メンバーが発表され、ワグナーはスケートカナダとNHK杯の2大会に振り分けられた。本人の言うように、彼女はNHK杯は2008年から4年連続出場して、2009年には銅メダルを手にしたこともある。今度のNHK杯は、彼女にとって4年ぶり5回目の出場だ。
ソチ五輪後に多くのベテラン勢が引退、あるいは休養をとった中、ワグナーは昨シーズンも休まずに競技に出場し続けた数少ないベテラントップ女子の1人だった。ソチ五輪直後、22歳になっていた彼女は、あと4年間現役を続ける決意をしたのだという。
「ソチ五輪が終わって、次どうするのかゆっくり考えなくてはなりませんでした。続けるのなら、次の五輪まで4年やりたいと思った。平昌五輪では私は26歳になっています。決して肉体的に無理な年齢ではないし、自分は遅咲きの選手なので、もしかするとその頃にピークに達しているかもしれません。だからそれほど難しい決意ではありませんでした」
強みは「人生経験を生かして表現ができること」。
昨シーズンは女子トップの顔ぶれが、ほぼ総入れ替えとなった。
ロシアなどを中心としたティーネイジャーたちがメダルを取り続ける中で、バルセロナのGPファイナルではギリギリで進出したワグナーが3位に入賞し、ベテランの意地を見せつけた。
「私の強みと言えるのは、十代の選手よりも人生経験を積んできたことでしょうか。たとえばラブストーリーをテーマとしたプログラムを滑るとき、自分の過去の経験の中から感情を引っ張り出すことができるので、よりリアルな表現ができると思います」