フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
全米女王アシュリー・ワグナーが語る、
浅田真央復帰と女子3アクセル時代。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byISU/ISU via Getty Images
posted2015/06/23 11:40
今春、上海で開催された世界選手権でのワグナー。ベテランらしく、貫禄ある美しい演技を披露して観衆を魅了した。
リンク外の人生もハッピーにすることが大事。
だがメダルを期待されていた上海世界選手権では、惜しいところで5位に終わった。その理由を、ワグナーはこう説明した。
「あの大会のときは、スケート以外のことで色々と問題を抱えていて、ストレスが大きかったんです。リンク外の人生もきちんとハッピーにしていないと、集中してよい演技をすることは難しい、ということを学びました」
「女子にも3アクセルは珍しくない時代は来る」
上海世界選手権で新チャンピオンになったエリザベータ・トゥクタミシェワは、女子で史上6人目となる3アクセルを成功させた。ここ数年は、浅田真央のみが挑戦し続けてきた特別なジャンプである。だがトゥクタミシェワの成功により、今後ほかの女子たちも挑戦せざるを得ない時代になっていくのだろうか。
「女子でも3アクセルは珍しくない、という時代は近いうちに必ずやってくると思います。来季はマオも戻ってくることだし」
そう語るワグナー自身は、3アクセルに向けてのコンディショニングなどを少しはじめたところだという。
「ああいうジャンプは、いきなり氷の上で挑戦するようなものではないんです。怪我をしたくなければ、様々な準備をして体の使い方などを学び、そのためのトレーニングに耐えられるようにもっていかなくてはなりません」
今すぐではないけれど、将来的に挑戦することは十分可能だ、と口にした。
16歳の頃からシニアの国際試合に出ているワグナーだが、現在のトップクラスには同世代の選手はほとんど残っていない。そんな中で、浅田真央が復帰宣言をしたのは彼女にとって心強いニュースだったと言う。
「マオが戻ってくる、と聞いたときはまったく驚きませんでした。彼女なら、まだまだトップクラスで滑れるだろうと思っていましたから」