サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
2カ月で520試合を観たチーム・ハリル。
原口、丹羽、谷口を選んだ基準とは?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTsutomu Takasu
posted2015/06/02 11:30
定番となりそうな、スクリーンを背に立ってスピーチする形で代表発表をするハリルホジッチ監督。FIFAの汚職事件にも言葉を濁さずに発言するなど、発信力は際立っている。
ヘルタで好調の原口が、乾や永井を飛び越えて代表入り。
デスク 「青山も今野もチームで好調なだけに、もったいないけどね」
二宮 「ボランチのバランスも考えたんじゃないかと思いますよ。ボランチ枠は長谷部、山口、柴崎、谷口の4人。監督はウズベキスタン戦で柴崎をトップ下で起用しましたが、今回はメンバー構成を見てもボランチのプランでしょうね。攻撃にアクセントをつけるボランチとして柴崎を考えているなら、逆に守備に重点があるボランチとして谷口を、と。エアバトルの可能性も考慮して今回は青山、今野ではなく、谷口で行ってみようということになったんじゃないですかね」
デスク 「FW枠は? ヘルタで頑張っていた原口が2年ぶりの代表復帰になったけど」
二宮 「このメンバーのなかでは僕自身、原口の選出が一番の驚きでしたね。ヘルタで試合にも出ていて、実力的にはサプライズでも何でもないんですが、常連の乾や快足の永井を飛び越えて入ってきたわけですから。乾は終盤戦で出場機会に恵まれず、永井も名古屋ではウイングバックでの起用が続いています。そういう現状から“今回は原口が望ましい”と判断したのではないかな、と」
デスク 「監督は原口について何と言っているの?」
二宮 「左でも右でも試合に出ていて、代表でもサイドで使いたいとのことでした。テクニックがあり、いろいろなゾーンで活躍できると、高く評価しています」
3年後を見据えてはいるけれど、「今」好調な選手を。
デスク 「なるほどね、先を見越したメンバーというよりも、現状とチームバランスを見たうえでの勝つためのメンバーということか」
二宮 「そういうことだと思います。基本的にはまず試合に出て、いいパフォーマンスであることが条件。試合から離れているのは川島と酒井高ぐらいですが、2人の能力を評価しています。『川島については状態を確認したい』、『(サイドバックでは)高徳よりもいいパフォーマンスの選手がいない』とも語っています。
そして監督は『我々の目的は勝利を続けること』と強調しています。30代は川島、長谷部だけという3年後を見据えた構成ながら、パフォーマンスのいい選手、チームバランスを考えたうえでの25人ですね」