サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
2カ月で520試合を観たチーム・ハリル。
原口、丹羽、谷口を選んだ基準とは?
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTsutomu Takasu
posted2015/06/02 11:30
定番となりそうな、スクリーンを背に立ってスピーチする形で代表発表をするハリルホジッチ監督。FIFAの汚職事件にも言葉を濁さずに発言するなど、発信力は際立っている。
「絞ってきたな」というのが率直な感想。
デスク 「3月の親善試合は29人のメンバーが呼ばれたわけだけど、アジア地区予選のベンチ入りが23人ということを考えると、25人というのは大体予想どおり?」
二宮 「正直もうちょっと呼ぶかもしれないと思っていたので、絞ってきたなというのが僕の率直な感想ですね。ハリルホジッチ監督はGKを4人呼ぶと言ってきて、そのとおり4人にしています。1ポジション2名と考えると、フォワードが一枚多い構成。監督は『23人は様子を見て決める』と話していて、シンガポール戦はGK1人とフィールドプレーヤー1人がメンバー外になりそうですね」
デスク 「ポジション別で話を聞いていこうか。センターバックには5月の代表候補合宿で呼ばれた29歳の丹羽が入ってきたね」
二宮 「センターバックは吉田、森重が軸だと思いますが、槙野、そして丹羽が呼ばれました。槙野は首位独走のレッズで、丹羽はACLの決勝トーナメント1回戦のFCソウル戦を快勝したガンバ、とチームでの好調ぶりが評価されているんだと思います。
僕が聞いたところでも丹羽に関しては候補合宿後のパフォーマンスを監督は褒めていたようですよ。また2人はサイドバックでもプレーできますし、今の勢いを買っての選出だと感じました」
守備力のある“大型ボランチ”枠に谷口彰悟。
デスク 「MF枠は6人。目を引いたのがやっぱり候補合宿組で初招集の谷口かな。ボランチは青山、今野と有力候補がいるなかで呼ばれたんだから。二宮さんもびっくりしたんじゃない?」
二宮 「いや、入るかもなとは思っていたんです」
デスク 「えっ、どうして?」
二宮 「3月の2試合を見ても、ハリルジャパンのボランチは守備の役割をかなり求められますよね。ロングボールの処理ではボランチが競りに行くのが基本で、ウズベキスタン戦では水本が後半から起用されています。そういった意味でも、ディフェンスラインの前で跳ね返す役割を担える“大型ボランチ”を探すことになりそうだなっていうのは伝わってきました。
谷口は182cmとサイズがあり、体の強さもある。空中戦をしっかりこなせる中盤を一枚、持っておきたいというのはあったんじゃないかな、と」