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今季も大激戦のプレミアの残留争い。
最後の鍵を握るのはファーガソン? 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2015/05/16 10:50

今季も大激戦のプレミアの残留争い。最後の鍵を握るのはファーガソン?<Number Web> photograph by Getty Images

“降格候補”5チームのなかでは、プレミア常連のニューカッスル主将のコロッチーニだが、果たして残留を掴み取れるか。

「降格当確」と言われるハルはトッテナム戦が希望。

 一方「降格枠当確」と有り難くない評判なのが、18位で36節を終えたハルだ。たしかに、バーンリーとのホームゲームでポイント数を「34」から伸ばせなかった敗戦(0-1)は痛い。残る2試合はトッテナムとマンチェスター・ユナイテッドという上位勢を相手にしなければならないが、実は、サバイバルの競争相手であるニューカッスルとサンダーランドの状況を加味すれば、決して絶望的ではない。

 重要なチームの調子と士気はニューカッスルよりも上だ。リバプールを下して(1-0)2連勝を記録したのはつい2節前のこと。問題のバーンリー戦にしても、守備の要であるマイケル・ドーソンが、血のついたユニフォームを着替えるためにピッチにいない時間帯での失点という不運があった。

 マンU戦はともかく、トッテナム戦では「18位対6位」という見た目よりも遥かにポイントを奪える可能性が高い。過去1カ月で1勝のみのトッテナムは、CL出場の大目標を失って芯がぶれている状態。そうでなくとも、攻撃にこだわるマウリシオ・ポチェッティーノ監督のチームは、ホームゲームで後方のスペースやセットプレー守備の甘さに付け込む隙がある。

 片やハルの前線には、今冬の移籍市場最終日の加入以来、得点すれば負けなしの新FWダメ・エンドイェに加え、エース格のニキチャ・イェラビッチも1カ月半ぶりに膝の怪我から戻っている。

降格確定のQPRにニューカッスルは勝てるのか?

 逆にニューカッスルが残している2試合は、世間で言われているほど楽ではない。QPRを相手にポイントを落とすチームがあるとすれば、それは同様にチームとして機能しているとは言い難いニューカッスルではないだろうか?

 アラン・パーデュー監督がクリスタルパレスに去った昨年末から暫定指揮を執るジョン・カーバーは、36節ウェストブロムウィッチ戦(1-1)後に「連敗脱出」を強調したが、実際は及第点も危うい内容の引分け。ゴール枠が敵のシュートを弾き返してくれなければ2点差で負けているところだった。

 最終節でホームに迎えるウェストハムの監督は、7年前のニューカッスル解雇で心に一物を持っているサム・アラダイスだ。勝ち負けの意味が薄い中位チームではあるが、結果にこだわる指揮官の指示が徹底された場合の手強さは、マンCとリバプールからの金星が物語る。

 これに対してカーバー体制下のニューカッスルは、36節までの直近9試合で19失点という締まりのなさ。キャプテンでCBのファブリシオ・コロッチーニからして中途半端な守りが目立つ集団の心は、全く一つになっていない。

【次ページ】 名将の存在が残留の可能性を高めるサンダーランド。

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