プレミアリーグの時間BACK NUMBER
今季も大激戦のプレミアの残留争い。
最後の鍵を握るのはファーガソン?
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2015/05/16 10:50
“降格候補”5チームのなかでは、プレミア常連のニューカッスル主将のコロッチーニだが、果たして残留を掴み取れるか。
名将の存在が残留の可能性を高めるサンダーランド。
残るサンダーランドは、対照的に名将の存在が巷の残留予想を強めている。3月後半に今季末までの指揮を引き受けたディック・アドフォカートが、グスタボ・ポジェ前監督の下で崩壊寸前だったチームに統制をもたらしたことは事実だ。
中盤での汗が光るリー・キャタモールを中心として、負けない戦い方も身に付きつつある。加えて、まだ3試合を残していることからポイント獲得の可能性もライバル勢より高いと見られている。
但し、未消化の1試合はアウェイでのアーセナル戦だ。アーセン・ベンゲル監督以下、2位フィニッシュで意地を見せたい格上からのポイント奪取は至難の業だろう。スウォンジーに“0トップ”の守備重視でしぶとく勝利(1-0)を奪われたばかりとはいえ、如何にアドフォカートでも、開幕からトップ10内を維持しているスウォンジーと同等の一体感と安定性を就任2カ月足らずで植え付けるまでには至っていない。
5月9日のエバートン戦(2-0)では、ダニー・グレアムに今季初ゴール、今冬に加入したジャーメイン・デフォーに通算4点目となる1カ月ぶりのゴールが生まれたが、いずれも味方のシュートが体に当たった偶然の産物で「FWが仕事をした」と言うほどの説得力はなかった。
20日のアーセナル戦を挟んでは、前にレスター、後ろにチェルシーとの対戦が控える。レスターとの下位対決で痛み分けに終わり、試合後にプレミアとリーグカップの二冠をホームの観衆と祝う予定のチェルシーに白星で綺麗な今季フィナーレを演じられれば、サンダーランドは3試合で1ポイント獲得のみに留まる。
勝ち点は劣っても、得失点差ではハルが優位。
もちろん、これは今季最後の2週間で起こり得るシナリオの1つにすぎないが、最終節を終えて3チームが36ポイントか37ポイントで並んだ場合に物を言うのは、36節終了時点でサンダーランドを「4」差、ニューカッスルを「8」差で上回るハルの得失点差だ。