圧巻のイーグルと、痛恨のバーディー逃し。

　ティショットは右に曲がり、松の枯れ葉が地面を覆う林に入った。その位置からグリーンを狙ったがゆえに手前のクリークに落とした選手は過去数多いるが、松山はそこから207ヤードの第2打にミドルアイアンを握り、ピン左5mに危なげなく乗せて、イーグル奪取。カップから拾い上げたボールを握ったままの右手を小さく挙げ、拍手と歓声に応える姿が堂に入っていた。

　この時点で通算10アンダー、4位タイ。スピースとの差は一気に7打へ縮まった。この勢いのままもう1つ、あと1つとスコアを伸ばしていければ、スピースに追い付けずとも、その差はかなり縮められるはず。松山自身もそう感じていたからこそ、バーディーが取れそうでパーに終わった15番が「痛恨」となった。

　13番同様、15番のパー5でもイーグル、悪くてもバーディーを取りたかった。だが、フェアウェイからの第2打はグリーン右のバンカーに転がり込んだ。

「あそこに外した時点で、（イーグルは諦め）バーディーは絶対に取りたいと思った」

　バンカーから打ちだした第3打はピンをかすめながら転がり、2m先へ。しかしその2mを沈めることができず、パー止まりになった。

「（バンカーショットは）思ったよりスピンがかからなかったけど、バーディーパット（を決められなかったこと）が自分の中では悔しい」

その日の悔しさは、その日のうちに。

　パー3の16番も、5mから2パットでパーに終わった。17番はフェアウェイからの第2打がほぼピンハイの地点をヒットした後、ピン下17mまで転がってしまい、やはりパーどまり。

「15番のバーディーパット、17番のセカンドショットが悔しい」

　その日の悔しさはその日のうちに自力で払拭して見せる、と言わんばかりに最終18番はピン4mを捉え、バーディーフィニッシュ。拳を何度も握り締め、ガッツポーズを取った。

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