フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生結弦SPトップで二連覇見えた!
ただし、来季の出場枠は大ピンチに。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto
posted2015/03/28 12:15
「(SPでは)ひとつひとつ、楽しんできました」「フリーの方が滑り込んできたので自信があります」と二連覇へ向けての手応えを語っていた羽生。
シーズンズベストで羽生がトップ!!
羽生の名前がアナウンスされると、日本から応援にかけつけた大勢のファンから大きな拍手と歓声がわいた。驚くほどの数の日の丸が、観客席に並ぶ。
ショパンのバラード1番ト短調のメロディが流れると、羽生がゆったりと間をおいてから滑走をはじめる。だが最初の4回転トウループで、手をついた。
そこからの持ち直しは早かった。切れ味の良いコンビネーションスピンを2種類見せた後、これでもかというほど複雑なステップを踏んで得意の3アクセルをびしりと決めた。最後の3ルッツ+3トウループも難なく降りて、体を大きくつかったステップシークエンスで盛り上げて演技を終えた。スタンディングオベーションの会場内から花とぬいぐるみが降り注ぎ、氷の上を埋め尽くしていった。
95.20の、今シーズンのベストスコアでトップに立った。
SP終了後、フリーの滑走順の抽選会では、恒例としてSPのトップ3人にスモールメダルが授与される。羽生は、その後の会見でこう語った。
「世界選手権でSPのスモール金メダルをとれたのは初めてだったのでちょっと嬉しい。でも今回ぼくの得点源である4回転トウループをきれいに降りられなかったので、そこについてはすごく悔しいです」
ノーミスで2位にたったハビエル・フェルナンデス。
SP2位に立ったのは、羽生の2人前に滑ったハビエル・フェルナンデスだった。「ブラック・ベティ」のロックのメロディに合わせて、きれいな4回転サルコウを着氷。3ルッツ+3トウループ、3アクセルと完璧だった。それまでミスが多く続いていた会場の空気を一掃したフェルナンデスは、92.74のスコアを手にした。
「このプログラムはすごく滑り込んで練習してきたので、ミスなく滑りきってすごく嬉しい」と喜びを表現しながらも、「以前にこのプログラムを3+2で滑ってもう少し高いスコアが出たので、今回はもうちょっと出るかなという期待はあった」と、採点に対する疑問も口にした。