フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
浅田真央、コストナー不在の女子。
世界選手権はロシアが席巻するか!?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph bypicture alliance/AFLO
posted2015/03/24 10:40
ロシアの恐るべき逸材たち。左からJ・リプニツカヤ(2013-2014欧州選手権、ソチ五輪団体)、E・トゥクタミシェワ(2014-2015欧州選手権、GPファイナル)、E・ラジオノワ(ロシア選手権)。カッコ内は優勝大会。
G・ゴールド、P・エドモンズらも表彰台を狙う!
もう1人の候補はNHK杯チャンピオンのグレイシー・ゴールドである。
できるジャンプの種類も質も、ロシア女子たちに少しも劣らない。だが今シーズンはやや体重調整に苦労しているように見え、また12月には左足の疲労骨折が発覚。初進出したGPファイナルを欠場し、2月の四大陸では4位に終わった。ゴールドがどこまで調整をしてくるかによって、表彰台の顔ぶれが大きく変わる可能性もある。
また四大陸選手権で予想外の初優勝を果たしたポリーナ・エドモンズも、「自分も上海で表彰台のチャンスはある」と強気のコメントをした。
日本女子のメダルのチャンスは?
日本からは宮原知子、本郷理華、村上佳菜子の3人が挑戦する。
いずれもGP大会ではメダルをとってくる実力の持ち主だ。彼女たちが初の世界の表彰台に上がるには、ワグナーが言うようにSP、フリーを通してノーミスの演技をすることが必須条件になるだろう。
宮原は体は小柄ながらも、技術、表現力ともに欠点のない選手である。
左右両方に回転できるスピンなどの得意技を効果的にアピールして、他の選手にない個性を前面に押し出していくことで、5コンポーネンツもさらに上がっていくだろう。
本郷理華はまだ荒削りのダイヤモンドだ。安定感のあるジャンプの基礎と本番での強さは何にも代えがたい財産になる。
ちょっと猫背気味だった姿勢も以前よりだいぶ美しくなったが、まだ表現力はジュニアっぽさが残る。端麗な容姿をもっと生かしてオーラのある演技ができるようになれば、どんどん点が伸びていく選手である。
村上佳菜子はこのところ、ジャンプの回転不足を厳しく取られているためか、少し萎縮しているように見える。
もともと天真爛漫な溌剌とした滑りが持ち味だった彼女なのだから、思い切りの良い、伸び伸びとした演技を見せて欲しい。弱点の矯正ももちろん大切なことだが、長所をどれほどジャッジにアピールできるかでスコアの伸び方は変わってくる。
過去に5人の世界女王が8回のタイトルを手にした日本女子。その後継者として、堂々とした戦いぶりを期待したい。