サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
日本は“ハシル”ジャパンになれる?
代表43人メンバー発表の意図を読む。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAFLO
posted2015/03/20 11:50
急な就任のため、戦術や哲学についてもまだ不明な点が多いハリルホジッチ新監督。今回選んだメンバーでどんなサッカーを見せるのか、初陣が今から楽しみだ。
30代は今野、長谷部、川島だけ。遠藤は落選。
デスク 「ガンバは遠藤が入っていれば、FC東京を抜いたということか。遠藤の落選はサプライズだったのでは?」
二宮 「去年のJリーグMVPで、ガンバ3冠の功労者だし、アジアカップでも遠藤のパフォーマンス自体は良かったと思うので、僕は入ってくるだろうなと見ていました」
デスク 「やっぱり年齢かな?」
二宮 「ハリルホジッチは質疑応答の前に自ら遠藤のメンバー漏れについて触れ『私はロシアW杯の準備をしている』と語っています。3年後が38歳だと考えると、遠藤のいないチームづくりを進めていかなければならないという思いなのでしょう。『日本代表に貢献してくれた彼のことを忘れてはいけない。敬意を表することを付け加えたい』と指揮官なりに配慮もしています」
デスク 「ベテラン選手は多くないね。結果を残しているという点でいうと今季も好調の32歳、大久保は呼ばれなかった」
二宮 「フィールドプレーヤーのなかでは32歳の今野が最年長です。30代は今野、長谷部、そして川島だけなので。ただ、今回呼ばれなかった大久保の名前を出して『彼は得点王を取っているが、ある試合で必要ならもちろん呼ぶ』とも語っています。現時点では3年後を見据えて若手優先が基本スタンスでしょうけど、今後呼ぶ可能性を否定していませんね」
永井謙佑のスピードは監督好み?
デスク 「このメンバーのなかで、監督好みの選手というと?」
二宮 「永井だと僕は思いますね。メンバー発表の前日にナビスコカップの川崎vs.名古屋を生で観ているんですよね。永井のスピードはかなり魅力的だったようで『今のサムライブルーに少し足りない背後へのスピードをもたらしてくれるのではないか』、『この選手は面白いし、興味深い』とコメントしています。永井はスピードのみならず、攻守においてエネルギッシュで、タフネスを兼ね備えています。全員攻撃、全員守備を標榜する指揮官のサッカーにマッチするアタッカーなので、いきなり先発で使ってくるかもしれませんね」