ザッケローニが守った23人枠を一気に壊してきた。

二宮  「発表自体も画期的でしたよ。メディアにまずリストが配られて、監督がそれについてしゃべるというのが従来のスタイルでしたが、ハリルホジッチは席を立ってメディアの前に立ち、一人ひとりの名前を自ら読み上げていくんですよ」

デスク  「W杯のメンバー発表みたいなだな。協会のサイト内で生中継されたようだし、これからは選手たちも見るようになるんじゃない？　あと、メンバーは各ポジション2人プラスGK3人で23人招集というのが常識だったけど、ここも崩してきたね」

二宮  「ザッケローニは23人という枠を守って、代表の誇り、自覚を持たせるというスタンスでしたが、ハリルホジッチは代表のなかで競わせるという考え方。ただ今回は監督の情報量がまだ多くないので、アジアカップのメンバーを基本にして自分が映像を見たり、試合会場に足を運んだりして呼びたい選手を追加して、31人という大所帯になったんだと思います。それにケガの内田、長友、今野についても、自分の考え方やチームの方針を伝える意味で招集していますし」

結果を出したチームから多く呼ぶ、という特徴。

デスク  「31人のメンバー選考にはどんな基準が？」

二宮  「選考基準についてハリルホジッチは『人間性においてもスポーツ面においてもレベルの高い選手。日本代表としてプレーするために、素晴らしい人間性と素晴らしい行動を伴った人物でなければ呼ぶことはできない。それと、良いプレーヤーであること』などと語っていますが、勝利へのこだわりを常に口にする彼らしいと思ったのは、結果を出したチームから多く呼んでいる点。たとえば昨季3冠のガンバ大阪からは東口、今野、初選出の藤春、そして宇佐美の4人。加えてバックアップに大森が加わって計5人です。国内でこれまで一番多かったFC東京と数で並びました。昨季2位の浦和からも西川、槙野、興梠の3人が呼ばれています」

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