リーガ・エスパニョーラ最前線BACK NUMBER
現バルサにも劣らない最強3トップ。
レジェンドたちの「伝説のクラシコ」。
posted2015/03/18 10:30
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph by
AFLO
今シーズンのバルサの肝であるメッシ、スアレス、ネイマールのアタックラインがいよいよ機能し始めた。今年に入って全公式戦17試合で40得点、アシストは、メッシ11、ネイマール1、スアレス7の計19。
互いをサポートしようする気持ちが局面に応じた役割をそれぞれに与え、ゴールを生み出しているようだ。
バルサのスリートップは'80年代末、クライフがクラブのサッカーを構造的に変えたときからの特徴だが、今季の3人は連係のポテンシャルが非常に高い。個々の能力だけでなく、揃って南米出身ということもプラスになっているのだろう。
リバウド、クライファート、フィーゴのスリートップ。
ただ、破壊力という点では決して負けていないトリオは過去にもあった。
たとえば'98年夏に結成されたリバウド、クライファート、フィーゴのスリートップだ。天才的なテクニックと常人にはないひらめきでスタンドを沸かせ、ゴールを量産していたリバウド。
誰にも真似のできないボールタッチでマーカーを翻弄する一方で、味方のためにスペースを作ることにも長けていたクライファート。
そしてフィーゴは「銀河系選抜」と呼ばれた2000年代前半のマドリーでの活躍が印象深いが、最も輝いていたのはこの頃。ボールを持つたび目の前のディフェンダーに勝負を仕掛け、敵の守備バランスを巧みに崩していた。
サッカーファンの記憶とバルサの歴史に残る彼らの熱闘は幾つかある。中でも面白かったのは'99-'00シーズンのカンプノウで行われたリーガのマドリー戦だ。一般的に、この試合のハイライトは後述するラウールの活躍とされている。しかしスリートップを中心とする攻撃陣(クライファートは途中まで)が90分間見せ続けた「バルサの矜持」も驚嘆と称賛に値する。