「キヨはいつも怒る」「それはマヌもやろ」

――言葉がわからなくても、アクションを起こすだけでも違う。

「そうなんですね。昨日の紅白戦で、マヌ（マヌエル・シュミーデバッハ）から言われたことに納得がいかなくて、俺、マヌへ言い返したんです。マヌは自分に対しても厳しいけれど、周りの選手に対しても厳しくて、バァーって強く言ってくるんですよね。

　マヌに言い返すヤツなんてそんなにいないから、『キヨはいつも怒っている』って、肩をバンってぶつけてきたりするんですよ。でも、練習が終わったら、ケロっとしている。『キヨはいつも怒る』って、笑いながら言ってきて、『それはマヌもやろ』って、俺も言って。そういう風に練習が終わって、プレイについて話をする。サッカーの話ができるというのは良いことですよね。

　日本だと、練習中に言い合いをすれば、その後にわだかまりが残ったり、気まずくなるけど、ドイツではそういう感じが全くない。逆に言わないと何も始まらないなという感じがあるんですよね。ニュルンベルク時代も1年目より2年目の方が言えるようにはなったけど、今と比べたら、全然話せていなかったと思いますね」

代表のことよりも、クラブのことが大事。

――それでも、今年に入ってなかなか勝てていません。残留争いへ巻き込まれる恐怖はありませんか？

「1試合終わる毎に他クラブの結果も含めて怖さはあるけど、打ち勝つようにできると思うんです。焦るんじゃなくて、1試合1試合に集中して、すべてを懸けていけると思います」

　3月15日の第25節はアウェイでボルシアMGと対戦。先発出場を果たしたが、試合は0－2と敗れ、13位へと順位も後退。3月21日にはドルトムント戦と、強豪相手の試合が続く。新監督を迎えた日本代表のことよりも、クラブのことが大事。今の清武は迷いなく、そう答えるだろう。

　前半戦のときのようなサッカーを取り戻すため、いかにチームを変えていけるか？　自信を失いかけたチームメイトに勇気を与える“結果”を示し、自身の成長を証明してほしい。