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王者G大阪は、まだ冬眠中なのか?
遠藤保仁が語るチームに必要なもの。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/03/11 10:35
今季でプロ入り18年目の遠藤保仁、J1通算100得点と通算500試合出場がかかっている。
J1に復帰した昨シーズンも、序盤戦は苦しんだが……。
たしかにJ1に復帰したばかりの昨シーズン、序盤戦は苦しんだ。開幕戦で浦和に負け、2節の新潟戦で初勝利したが、その後は引き分けと負けが2試合ずつ続き、6試合で1勝2分け3敗となかなか波に乗れなかった。
ただ、それはチーム全体というよりもエースの宇佐美をケガで欠き、今野も不調という影響が大きかった。特に前線に選手がおらず、なかなか点が奪えずに苦労したのだ。当時と比較すると今シーズンは宇佐美とパトリックが健在で攻撃陣に不安はない。だが、2人がいるからこそ余計に物足りなさを感じてしまう。
今シーズンはキャンプから質の高い実戦的なトレーニングを積んで、攻守ともにより高い完成度を求めてきた。攻撃面では、昨年機能した中央突破、サイド攻撃、ファーストブレイクの3つを軸に遅攻と速攻を加え、相手が抑えることができない攻撃の構築を目指した。だが、これまでの4試合での得点はセットプレーとカウンター、PKなどで、畳み掛けるような迫力ある攻撃は影を潜めている状態だ。
「試合によってはボールを取る位置が低いんで、前線に起点を作って押し上げることができればもっと幅のある攻撃ができると思うけどね。まぁボールを奪った後の一瞬の動き出しとか、ひらめきとかはもうちょいフィットしてこないと出てこないし、攻撃の精度を高めていくのも、もうちょい時間がかかるかなと思う」
遠藤「悲観する必要はまったくない」
一方で、昨年、リーグ最少失点(31点)2位タイだった守備も、公式戦4試合で6失点とまだまだ物足りない。昨年後半の良かった時は、中盤でボールを取りにいく時にはちゃんと人数をかけられ、また、試合の流れで守らないといけない時はリトリートしてしっかりと守ることができていた。前からプレスをかけて行く時とブロックを作って守る時のメリハリが利いていたのだ。
「FC東京戦、守備は踏張っていたと思う。クロスへの対応も出来ていたし、パワープレーへの対応も良かった。ただ1点目は人数がいたんで、もうちょいうまく守れれば失点は防げたし、2点目も終了間際なのでポジショニングに気を使ってシュートを打たせないようにすればよかった。ACLもそれほどやられていないし、開幕戦も含めて悪い内容ではないんで、悲観する必要はまったくない」
遠藤は、そう言い切った。
悲観する必要はないのかもしれないが、FC東京戦に限って言えば相手は公式戦初戦、ガンバは4試合目だった。もう少し攻守における連携面の良さが出てもよかったはずだが、逆に4試合目という疲れが出てしまった感もある。個々のコンディションにまだバラつきもある。だが、チームの調子が上がらない最も大きな要因は、今野泰幸の不在だ。