今野が戻ってくれば、チームは大きく変わる。

　今野は、2月の練習試合中に左太腿肉離れを再発させ、離脱中だが、ガンバの攻守のバランスを取る軸である。自ら攻撃参加したり、遠藤の攻撃力を引き出すために守備に奔走するなど、献身的にチームに尽くす。遠藤が攻撃のハイブリッド車であれば、今野は4駆のように攻守に利いている。中盤にこの2人がいたからこそ、昨年のような攻守のバランスが取れた強いチームが完成したのだ。

　そういう意味では、昨年、宇佐美が不在で開幕から苦しんだ状況と似ている。今野の復帰は未定だが、チームに戻ってくれば昨年、宇佐美がケガから戻ってきた時のようにチームは大きく変わるだろう。

「今は、まず昨年やれていたことをしっかりやれるようにするのが大事。まだ、昨年のいい時のプレーのレベルにみんな達していないんでね。初戦から100％出せればいい けど、そんなに簡単じゃない。試合をこなして、勝ち星を重ねながら最低でも昨年のいい時のレベルにもっていく。そこからさらに上積みしていけるようにできればいいかな。それができれば優勝できるよ」

　遠藤は、自信を見せた。

　もともとG大阪はスロースターターだ。右肩上がりでよくなる傾向なので、遠藤のいうように試合を重ねていけば新戦力とも噛み合い、本来の調子が出てくる可能性が高い。ただ、今シーズンは2ステージ制なので、まごまごしていると終わってしまう。

　試合を重ねながら仕上がりのピッチを上げ、そうしてチームとして上積みをしていく意識を個々が持ち続ける。そこに今野が戻ってくれば、よりチームの完成度を高めることができるだろう。そのためには、もう少し我慢の時期がつづきそうだ。