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超マイペースなニューヒロイン。
女子マラソン、前田彩里とは何者?
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byKyodo News
posted2015/03/09 11:35
2013年に他界した父の遺言は「五輪に行け」。昨年は3回しかできなかった腕立て伏せが、今年は15回までできるようにと……まだまだ伸びしろが多い逸材。
母親もランナーで母子でギネスブックに載っている!?
前田の母・淳子さんも市民ランナーとしてこの大阪に出場。マラソンでのキャリアが40試合を誇るという母との約束も果たし、母子でのマラソン最高記録としてギネスブックにも認定された。
「もともと陸上を始めたのも、両親が走っていたというのがきっかけだったんです。でも実は、小学校のときはバスケットをしていたんですよ。それで、中学ではバスケットか陸上か迷って。でも、当時のバスケ部の先生が凄く怖い先生だったので、陸上に逃げました(笑)」
オリンピックを本気で目指そうと思ったのは大学を卒業後、ダイハツ工業に進み、競技を続けることが決まった時だ。それまでは、「なんとなく」競技を続けて来たが、「走る事が仕事になる以上、結果にこだわっていかないといけない」と思い、オリンピックが現実的な目標になったという。
「筋トレが嫌い」「体幹とか補強とか苦痛(笑)」
実業団で着実に力をつけた前田は、昨年12月の全日本実業団対抗女子駅伝ではゴボウ抜きの活躍ぶりを見せ、今年1月の都道府県対抗駅伝ではエース区間で区間賞も獲得した。
「社会人になってからは、あんまり試合を外さなくなりました。調整力がついた気がします。ダイハツは無理をして追い込む練習があまりないので、余裕を持ってできているのが良いのかもしれないですね」
一方で、こんな苦労もあったという。
「筋トレが嫌いなんです(笑)。大学の時まで筋トレってやったことなくて。こっちにきてから色々教えてもらってやっているんですけど、全然できなくて。未だにあんまり……。体幹とか補強とか、苦痛です(笑)。すぐ筋肉痛になる。練習を頑張った後にはご褒美で休みをもらって、買い物に出かけるようにしています」