F1ピットストップBACK NUMBER
ケータハムF1チームついに消滅――。
最後まで忠誠を尽くした裏方たち。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byMasahiro Owari
posted2015/02/28 10:40
人々のさまざまな思いを乗せて走った可夢偉の最終戦のリザルトは42周リタイヤ。有終の美は飾れなかったが、スタッフたちの表情には満足感が浮かんでいた。
ケータハムは消えたが、スタッフ達の夢は続く……。
「おそらく、これがケータハムの最終戦となるであろう」
アブダビに集結した41名のスタッフ全員がそう感じていた。
だから彼らは、スターティンググリッドで可夢偉を囲んで集合写真を撮り、可夢偉もレース前にもかかわらず喜んでそれに応じた。そして戦いきった彼らは、レース後、入賞したわけでもないのに、41人のスタッフ全員がガレージ前に集まり、最後の記念撮影を行なったのである。
2015年、F1世界選手権。そこにケータハムの姿はもうない。
しかし、あの日、アブダビでたった1戦だけの復活のために集まったスタッフは、いまもどこかで戦い続けている。
彼らの夢が叶う日が来ることを祈りたい。