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ACLで軒並み敗戦が続くJリーグ勢。
水原vs.浦和で見えた南アW杯後遺症。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byAFLO
posted2015/02/26 12:15
先制しながらも逆転負けを喫した浦和。ペトロヴィッチ監督も「後半に水原が攻撃的な姿勢を見せ、不運な失点をしてしまった」とコメントしている。
守備的戦術を厭うのは、南アフリカW杯の影響?
近頃の日本のサッカー界には「守備的」なるものへのアレルギーがあるように感じる。南アフリカワールドカップで岡田ジャパンが、このスタイルで結果を残している。しかし「あれで正しかったのか」と。
その後生まれたザッケローニ体制では「攻撃もバランスよくやる」という主旨の下で新たな戦術にトライし続けたが、最後には「攻撃一辺倒」のような論調になり、ブラジルワールドカップでは結果を残せなかった。
だからこそ、柏レイソルが守備的戦術を割りきって採用し、しっかり結果を残せているという点はじつに興味深い。
時には守備的なのも悪くはないだろう……と。真っ向勝負を逃げているんじゃなくて、時にやるべきことをやりきれるのもカッコいいでしょうと。もちろん理想は、どの相手にも攻撃的に戦えることだが。
アジアの舞台でそれをやるか? との意見もありそうだが、相手に戦い方を見透かされ、戦略を立てられているのも事実。ACLでの韓国勢との戦いは、日本サッカー全体にとって、「どう勝つか」という観点をもう一度徹底的に考えなおす、とてもよい機会ではないだろうか。