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<体幹トレの落とし穴> 体幹トレのせいで怪我をする!? ~ローカル筋とグローバル筋~
text by
成田智志Satoshi Narita
posted2015/03/10 11:30
グローバル筋に負荷をかけすぎると、故障を招く。
「筋量は増えますから力強くなりはしますが、ローカル筋が衰えて不安定になりだすと無意識にグローバル筋の力でぐらつきを抑えようとして、収縮している筋肉に無理な負荷をかけてしまいます。すると肉離れや炎症を引き起こしやすくなるので、故障を招くことさえあります」
体幹筋でも肉離れは起きるそうで、「脇を痛めて休養」と報じられるスポーツ選手はたいてい脇腹の肉離れか炎症だという。むしろ筋肉が厚いトップアスリートほど痛めやすいとさえいえるのだ。
そういえばトレーニングマシンで肉体改造に励み筋骨隆々のボディとなったスポーツ選手は身体のキレが悪くなったり、故障しやすいという印象がある。もしかしたらグローバル筋優位になったことによる弊害なのかもしれない。
中日ドラゴンズの山本昌投手のように故障が少なく寿命の長い選手がマッチョな体型かというとそうではないのは、パフォーマンスの質と筋量は関係が無いからだろう。
強い運動がローカル筋の鍛錬を邪魔することも多い。
「こんな例があります。ある日本代表のJリーガーはすごい細身だけどバランスがよくて怪我もしない。そこで数年前にテレビ番組の企画で彼の体幹の安定性を評価したことがあるのですが、一般人並みの筋力しかなくてハンドニーさえ満足にできないくらいでした」
この日本代表レベルの選手のようにパフォーマンスの高いアスリートでも、グローバル筋だけで評価するとぜんぜん強くはないのだ。ローカル筋がきちんと働いていればグローバル筋をがちがちに鍛える必要はないという好例といえよう。
しかし、ここで疑問が湧いてくる。グローバル筋を鍛えていれば一緒にローカル筋も鍛えられているのではないだろうか? それにローカル筋は随意的には動きにくいのである。大切なのは判ったが鍛えようがないのではどうしようもない。
「誤解がありますね。運動の強度が高いからといってローカル筋によく効くわけではなく、むしろ強い運動がローカル筋の鍛錬を邪魔することも多いんですよ」
ロンドン五輪水泳日本代表のトレーナーに聞いてみたところ、驚くほど
シンプルなメニューだった。雑誌ではその体の動かし方やメニューを、
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