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J1復帰を目指すセレッソに黄信号!?
ユース組と移籍組の“溝”は埋まるか。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2015/02/18 10:40
主力の多くが残留し、戦力的にはJ2で頭一つ抜けた存在のセレッソ大阪。昨年J1で優勝候補と言われながら降格を喫した問題点が解決されているとよいのだが。
戦力よりも大切な「一体感」。
また練習を見ていると、ユース出身や既存の選手と移籍組の選手があまり交わっていないのがよく分かる。例えば、練習前のボール回しが完全にいくつかのグループに分かれてしまっているのだ。ある選手など「ユース組の中に溶け込むのは壁が高い」と、融合するキッカケすら見つけられない様子に半ば諦め気味だ。これではチームとして一体感を作り出していくのは難しい。
昨年、ガンバ大阪を3冠に導いた長谷川健太監督は、成功の要因を「チームがひとつになって戦えたこと」と述べた。レギュラーも控えもチームのためにひとつになって戦うことの重要性は結果となって表れている。
J2を戦った時のガンバ同様、セレッソは戦力的にはJ2で優勝するだけの力を保持している。しかし、キャンプで見えた光景がこの先も変わらなければ、補強は形だけ、名のある選手がいる「だけ」になってしまうかもしれない。リーグ戦で結果が出なければ空中分解してしまう危険性だってなくはないのだ。
これからキャンプ終盤に入り、最終日には仙台との練習試合をこなし、大阪に戻ってからは練習試合が数試合組まれている。
3月8日のJ2開幕まで、新監督の戦術をどれだけ消化し、チーム内の融合をどれだけ進めることができるか。キャプテンの山口が中澤らをイジるシーンが見られれば……、それはチームにとって「吉兆」のひとつになるはずだ。