Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「CBでは世界で通じないと痛感した」
今野泰幸、ボランチで再び世界へ。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAFLO
posted2014/11/22 08:00
久々の代表復帰となったオーストラリア戦では、本田圭佑のコーナーキックからヘディングで先制点を決めた今野泰幸。ボランチとしての再出発は上々だ。
挫折が、飛躍の準備であることは珍しくない。
センターバック卒業を宣言し、肩の荷が降りたのではないか。ボランチでプレーする今は、言うなれば自然体。肩の力がいい具合に抜けているように見える。
W杯以来の選出となった11月シリーズでは、オーストラリア戦の後半から、希望どおりボランチとして出場し、太田宏介にスルーパスを通したり、インターセプトからドリブルで持ち運んで香川真司にクロスを送ったりして、いきいきとプレーした。ケーヒルに厳しくチェックするなど、ストロングポイントである守備での貢献も忘れていない。
「代表で生き残るためには、自分はボランチで勝負をするしかない。今はボランチで世界と戦いたいという野心がある。ボランチのポジションを極めたいです」
挫折に思えた経験が実は次の飛躍の準備だったりするのは、往々にしてあることだ。フレッシュな気持ちで再スタートを誓ったベテランが、自身にとって初めての、チームにとって'05年以来となるリーグタイトル獲得に挑む。