女三代フルマラソンに挑むBACK NUMBER
大阪マラソンの成功祈願はお墓参り。
ほのぼのランのはずが、あわや遭難!?
text by
中島彩Aya Nakajima
photograph byAya Nakajima
posted2014/10/17 10:50
お墓参りまでの道のりに自信満々だった2人だが……。走りながらの道案内は簡単ではない、ということか。
走れども走れども目的地にたどりつかず……。
少し涼しくなった夕方。私たちは走り出しました。
1時間とちょっとで着く予定でしたから、携帯と、何千円かだけ持ってスタート。
1km8分の良い調子です。このペースなら、大阪マラソンの関門もクリアできます。
……と、思っていたら、ルートに自信満々だったはずの祖母が「ちえちゃん(母)、ここ曲がるんやっけ?」と、聞き始めたのです。
焦って「おばあちゃん、わからないんじゃないの?」と聞いても、
「合ってる合ってる! 任せとき」と自信満々。
ところが1時間、1時間半といくら走っても目的地につきません。そして、日も暮れ始めた頃、「道が分からなくなってきたわ」と、やっとギブアップしました。
やっぱり!!
祖母は走ることに精一杯で、目印を逃したようです。仕方ないのでまずは、現在位置を測ろうと思ったら、なんと、周りの山のせいでスマホのGPSが反応しないという事態に。民家も少なく、夕暮れともなれば、道を歩く人もいません。横の国道ではトラックがビュンビュン通りますが、それを止めるわけにもいきません。
後を引き継いだ母もギブアップ。
これは、まさかの三世代で迷子!
さらに、この日は台風が本州に接近中だったという背景もあり、「おばあちゃん、お母さん、自信あるって言ったやないの!」と、徐々にイライラ。
すると今度は母が「私が前行った道は、まっすぐ行ってから折り返すルートでそこなら大丈夫!」と道案内を買って出ました。祖母も私も「その道で行こう!」と同意。
しかし引率を母に任せてから走ること30分、まだ着きません。そして、母もついに「ごめん、彩ちゃん自信なくなってきたわ」とギブアップ。
「早く言ってよ……」
ランニングしながら迷うと、歩きながら迷うより、距離を進んでしまう分、どんどん目的地から離れてしまうのです。