オリンピックへの道BACK NUMBER
全てを可能にする圧倒的な自信。
体操・白井健三が追う内村の背中。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2014/10/02 16:30
白井健三は「試合で緊張したことはない」という強心臓。東京五輪を23歳といういい時期で迎える若者は、内村航平とは異なる道を歩んで世界の頂点を目指している。
「内村さんのようになりたい」
白井は、ゆか、跳馬のスペシャリストとして台頭してきたが、本人はそれで満足はしていない。
「内村さんのようになりたいです」
そう言ったことがある。
つまり、目指しているのは、オールラウンダーとしての体操選手だ。スペシャリストに甘んじる考えはない。だから、ゆか、跳馬へのこだわりはむろん、苦手種目の克服に努めてきた。
すべての種目でレベルアップを図りたいと考えている。それが白井の成長を促す力の1つである。
そして目前に、世界選手権開幕が迫っている。
大会では、スペシャリストとして団体総合、種目別で期待が集まる。
白井の活躍は、日本男子が悲願とする団体総合金メダルへとつながっていくだろう。さらに、種目別でも再び、世界をあっと言わせるか。
いつかはすべての種目を高いレベルでこなせる、日本のエースへ。
大きな夢を抱く白井が、2度目の大舞台へ挑む。