多田野数人の名言
マウンドから見える風景は、どの球場でも同じ。打者と向き合っている風景はヤンキースタジアムも、徳島の球場も変わりません。
多田野数人(プロ野球)
2014/09/23
千葉・八千代松陰高校を甲子園に導き、立教大学では六大学を代表する投手となった。ドラフト会議で複数球団が1位指名すると言われていたが、同性愛ビデオに出演していたことが発覚し、獲得を公言していた球団も指名を回避した。失意の多田野はメジャーのトライアウトを受け、インディアンス傘下の1Aチームと契約。「誰でも一生に一度は過ちを犯すことがあるかもしれません。もし、許されるのなら、その過ちから学び、過去に置いておきたい」。2年目のシーズン前、メジャーのキャンプに招待選手として招かれたとき、チームメイトにこんな言葉で自分の心情を訴えたという。その後、同年4月にメジャーに昇格し、日本のプロ野球を経験せずメジャーの勝利投手になった。アスレチックスに移籍した'06年シーズンは、左膝を痛めて3Aで34試合に登板するにとどまった。少しでも実戦を重ねたかった多田野は、オフシーズンに四国アイランドリーグの徳島インディゴソックスへのスポット参戦を決めた。「マウンドから見える風景は、どの球場でも同じ」とは、紆余曲折を経てメジャーに這い上がった多田野だからこそ言えるセリフだ。
Number666号(2006/11/16)