フットボール“新語録”BACK NUMBER
本田圭佑が語った好調の理由。
裏への意識、プレーエリア、守備負担。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byAFLO
posted2014/08/28 10:30
TIMカップのユベントス戦で4-3-3の右FWとして出場した本田圭佑は、決勝点となるゴールを決めた。続くサッスオーロ戦でも1アシストを記録して、最優秀選手に選出された。
本田圭佑は、自身の好調をどう見ているのか。
では、本田自身はこの準備期間の好調をどう見ているのだろうか?
8月17日のバレンシア対ミランの試合後、ミックスゾーンに行くと、日本の報道陣は自分を含めて2人しかいなかった。話を聞く絶好のチャンスである。
「お、いつ来たの?」
簡単に挨拶を済ませ、穏やかな雰囲気の中、ミランの背番号10と向き合った。
――非常にきれいなFKだった。蹴ったときに入る感触があった?
「そうですね。多分キーパーが触っていたんですよね? だから入るかなあと思って。まあ結果がほしかったんでね。目に見える結果といいますか。ただ、やはりチームは勝ってないですし、当然満足できるものではない。もう1点取りたかったというのが、個人的な思いですね」
「チームとしても復活の方向へ向かっていく」
――チームのバランスが昨季よりもかなり良くなっているように見えた。本田くんも守備に戻る距離・回数が少なく済んでいるのでは?
「ディフェンスの負担が以前に比べると減っていますね。しっかりといいポジションを取っていれば、最終ラインまで戻ることはごくわずかしかないので。だからボールを奪ったあとの距離感が良くて、確かに今はすぐに攻撃に転じやすいポジショニングを取れているかな。バランスという面は非常に改善されてきていると思う。あとは結果を積み重ねることで、チームとしても本当に復活というような方向にちょっとずつ向かっていくんじゃないかなと思いますね」
――今日はかなりDFラインの裏を狙う意識があった。仕掛けの意識に驚かされた。
「いや、後半やっぱり裏を狙う動きが減ったなと思っていて。まあ自分が減ったのか、出し手が違う方向を見始めたのか。もっと後半ももらいたかったんですけど。
意識的には後半は相手も体力的に辛いだろうなと思っていたから、前半と同じくらい裏に抜け出せれば、もしかしたらキーパーと1対1になるような場面とか、ディフェンスが横着してマークを外すような場面が1、2回できたかなと。その1、2回があれば、1点、2点取れるわけですから。今のポジションをやっているうえでは、そのへんは追求していきたいなと思っています」