勝利の女神は、ひたむきさを見抜く眼力の持ち主。

　今年は全英用の武器として2番アイアンと64度のウエッジをバッグに入れ、ティ・トゥ・グリーンを戦う準備は万全に整えている。かつては勝負どころのパットを外して勝ち損なったことが多かったミケルソンだが、選手から名コーチへ“転身”したデイブ・ストックトンの手ほどきを受け始めてからはパットに好感触を得ており、去年と同様今年も「最後のカギとなるグリーン上の戦い」を制するつもりでいる。

「去年は最高の思い出ができた。今年もいい思い出を作りたい」

　ウッズもミケルソンも、経験と齢を重ねるにつれ、衰えるどころか、ますます勝利への意欲と自信を高めつつある。

　リンクスランドの女神は奇想天外で気まぐれだ。が、勝利を目指すひたむきさを見抜く眼力の持ち主でもある。そんな彼女なら“2人のディフェンディングチャンピオン”のどちらかに、今年、再び微笑むのではないか。

　そう思えて、ならない――。