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今年の全英は“前回王者”が2人!?
ウッズとミケルソン、磐石の完熟期。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byJun Hiraoka

posted2014/07/16 11:15

今年の全英は“前回王者”が2人!?ウッズとミケルソン、磐石の完熟期。<Number Web> photograph by Jun Hiraoka

練習から多くのギャラリーを惹きつけるタイガー・ウッズ。6月の復帰戦は予選落ちを喫したが、照準は全英に合わせてきた。38歳、円熟のタイガーが見せてくれるゴルフが楽しみだ。

昨年の覇者ミケルソンも、自信に溢れている。

 絶大なる人気を誇るウッズの姿を遠目に眺めつつ、「この地ではタイガーもディフェンディングチャンピオンだからね」と静かに語ったのは、昨年大会の覇者、正真正銘のディフェンディングチャンピオンのフィル・ミケルソンだった。そして、ミケルソンも自身の変化を感じていた。

 そもそも、一昨年までのミケルソンは全英オープンで成績が振るわず、米メディアからは「ミケルソンは全英が不得意だ」と書き立てられていた。そして、ミケルソン自身も相性が悪いと感じていた。だが、昨年大会では一転、初制覇を成し遂げた。

「勝ったという実感、事実を胸に抱いて全英オープンに来たのは今年が初めてだけど、現地入りするときの気分は以前までとは全然違う。プレッシャーを感じずに会場入りできるというのは本当にいい」

「44歳は下り坂では?」という質問に笑顔で即答。

 ミケルソンは優勝トロフィーの“クラレットジャグ”に実際にいろんなお酒を注ぎ、この1年間、文字通り勝利の美酒を楽しんできた。だがそんな心の充実とは裏腹に、昨年の全英オープン優勝後はメジャーでもレギュラー大会でも勝利から遠ざかり、今季はマスターズで予選落ち、全米オープンでも28位どまりだった。

 会見では「一般的には44歳はキャリアの下り坂という見方があるが、年齢的にアナタはどうですか?」と世界のメディアからシビアとも失礼とも言える質問を浴びせられた。だが、ミケルソンは「問題ない」と笑顔で即答した。

 そう返答した根拠はいくつかある。加齢による肉体の衰えを補うため、自分なりに努力を続けてきた自負があった。

「もう何年も炭酸飲料は飲んでいない」

 朝起きたときも、夜寝る前も、フィジカルトレーニングは絶対に欠かさない生活。傍目には、やや太り気味に見えるが、ミケルソン自身は肉体管理は万全と感じている。

「これからの5年ぐらいが僕のキャリアにおける最高の時期になると思う」

 そして、今年の全英オープンに対しても勝利への自信を高めている。

「全英に出始めた最初の10年は、ティからグリーンまでのプレーがうまくできなかった。次の10年は最後のカギになるのはグリーン上だとわかっていたが、それがなかなかできず、去年ようやく、その勝負に勝った」

【次ページ】 勝利の女神は、ひたむきさを見抜く眼力の持ち主。

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