ブラジルW杯通信BACK NUMBER
怪物ではなく「当たり前」の徹底!
ドイツの優勝を、日本のモデルに。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2014/07/15 12:10
ドイツの選手たちが徹底したハイレベルな「当たり前」のプレーの連続が、強烈な「個」を擁するアルゼンチンを凌駕した。その姿は、日本にとってもお手本になるのではないだろうか。
この舞台で勝つ日本を、4年後は観たい。
決勝戦終了からおよそ5時間後の7月13日23時30分過ぎ、エスタディオ・ド・マラカナンのメディアセンターにアナウンスが流れた。メディアバスの最終案内かと思いながら注意を向けると、ポルトガル語、スペイン語、英語による感謝の言葉が聞こえてきた。仕事をしているメディアが少なくなり、強すぎる冷房が肌に冷たいメディアセンターを、歓声と拍手が駆け抜けていった。
開幕前には予想できなった勝利と敗戦があり、開幕前には考えもしなかったことに気づかされる。サッカーはシンプルなスポーツだが、どこまでも奥が深い。
過去4大会と同じように、今回も4年分の宿題を持ち帰ることになった気がする。それでも、メディアセンターをあとにする僕は、心地よい疲労感に包まれていた。全身を包み込むような疲労も、今夜ばかりは鬱陶しくない。
W杯は楽しい。何度来ても、楽しい。
この舞台で勝つ日本を、4年後は観たい。