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2020年東京五輪に出場できない!?
日本バスケット界、混乱の代償は。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKyodo News
posted2014/06/22 10:30
bjリーグとのプロ統合の難しさをインタビューで語っていたNBLの山谷拓志COO(最高執行責任者)。しかし状況はまったなし、日本バスケット界の命運はいかに。
埋まらぬ溝、日本のバスケットはどこへ。
6月4日には協会の理事会が開かれ、新リーグに関する協議が行なわれたが、そこでの出来事も象徴的だ。日刊スポーツの記事によると、理事会開始前、傍聴を希望していたbjリーグの専務が退場を求められたという。
「規定で認められていない」という理由ではあったが、そこにうかがえるのは、協力して作り上げていこうという雰囲気とはほど遠い姿勢である。
リーグ統合をめぐるこの数年の動きを見ても、手を携えて、という姿勢は見られず、NBL側の強引さや情報を開示しないことが、bjリーグ側の不満となってきた面が強いのではないだろうか。
その様子からは、日本のバスケットボールを盛り上げていきたい、強くしていきたいという思いが二の次になっているようにすら感じられる。
6月10日には、新体制のもとでの男子日本代表チームが活動を開始した。今後、7月のアジアカップなどの大会に臨んでいくことになる。
だが、代表の活動へと関心が高まらない、あるいは強化についての議論も広がらず深まらないのも、現状である。
そして、FIBAから突きつけられた、対外試合禁止処分、開催国枠なしという通告が目の前にあるのが現在の日本バスケットボール界なのである。