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フランスの好調を牽引するベンゼマが、
W杯開幕前に語っていた自身の歩み。 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byGetty Images

posted2014/06/23 10:55

フランスの好調を牽引するベンゼマが、W杯開幕前に語っていた自身の歩み。<Number Web> photograph by Getty Images

W杯初戦、ホンジュラスを相手に2得点を決めたカリム・ベンゼマ。左サイドのリベリーとのコンビネーションは失っても、欧州王者の不動の1トップの決定力は決して侮ることはできない。

「W杯出場は不可能だと誰もが思っていた」

――スウェーデンとの欧州プレーオフでクリスティアーノがそうであったように、あなたもウクライナとのプレーオフ第2戦では決定的な役割を果たしました。

「あの日の2点目のゴール――第1戦からの通算で同点に追いついたゴールが最も重要だった。僕はフランス代表で、あれほど価値のあるゴールを決めたことはなかった。歴史に残るゴールだ。その後は、かつてないほどにリラックスできた。スタッドドフランスで、あれほどの喜びを感じながらプレーできたことはなかった」

――とはいえ初戦を落とした後は、意気消沈したのではないですか。

「2回続けてワールドカップ出場の機会を逃すわけにはいかないと、自分に言い聞かせた。でもそれは、チームメイト全員の思いでもあった。突破は不可能だと誰もが思っていた。逆転はありえないと。僕らは全身全霊をかけて第2戦を戦った」

4年前、ベンゼマは30人の予備リストにも入らなかった。

――4年前の南アフリカ大会では、あなたはレイモン・ドメネクが作成した30人の予備リストにも入りませんでした。その苦い思い出は、もう喉元を過ぎたのでしょうか?

「ああ、完全に消化した。あのときはいろいろ言い訳を考えて自分を納得させた。別のことに集中するようにしたし、レアル・マドリーがプレーの機会を与えてくれて、僕をよく支えてくれた」

――だからこそ今回は出場が至上命令だったのですね。

「その通りで、26歳にして最初のワールドカップだからね。しかも開催国がブラジルというのも、出場を逃してはならない理由のひとつだった。誰もが認めるサッカーの国だし、ペレやロナウドを生み出した国だ。子供のころからの夢だったワールドカップ出場を、ブラジルで実現する。もちろん本気で出場を考えるようになったのはもっと後だけど、これ以上素晴らしいことはないからね」

――それではブラジルでのあなたの目標は何でしょうか?

「チームのために最善を尽くす。不必要なプレッシャーを感じることなく。その点では、ウクライナとのプレーオフ第2戦が、チームの団結力を高めるうえでとても役に立った。僕らが力を合わせれば、何か凄いことを成し遂げられるというのが証明できたわけだからね。だからコレクティブな力を維持し、さらに強めていく」

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