野球クロスロードBACK NUMBER
“今の西武らしさ”を貫いて復権を。
田辺監督代行と選手の厚い信頼関係。
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2014/06/09 12:15
初陣となった巨人戦で、メンバー表確認を行なう田辺徳雄監督代行。自身が選手時代に経験した「黄金時代」は再び西武に訪れるか。
「監督のために早いとこ勝率5割に戻さないといけない」
中村も想いを馳せながら士気を高める。
「ずっと一緒にやっているんで。でも、監督が代わったからどうこうではなく、僕らはこれからどんどん勝って、早いとこ借金を返していかないとダメなんで」
田辺が監督代行となってから1勝2敗(6月8日現在)。自身も「これからも厳しい戦いが続くんで」と語っていたように、快進撃がすぐに始まるわけでもないだろう。
しかし、6日の巨人戦は延長戦まで持ち込み、8日のヤクルト戦でも一時は勝ち越したように、敗れた試合でも接戦を演じた。西武は、明らかに変わろうとしている。
栗山は言う。
「僕らは負ける度に悔しい思いをしてきたんで。だから、監督のために早いとこ勝率5割に戻さないといけません」
頑張ります!!
主将は最後に力強くそう言った。
もちろん監督が代わっただけで「いい風」が吹くとは限らない。それでも近年のチームを良く知る田辺が指揮を執るからこそ、選手たちも強い気概を持ってゲームに臨めるというもの。
獅子は長い眠りから目覚めようとしている。今こそ、研ぎ澄まされたその牙で相手を食い尽くすのだ。