メルマガNumberセレクションBACK NUMBER
アンジャッシュ渡部建が考える、
統一球、ルーキー、阪神の戦いぶり。
text by
渡部建Ken Watabe
photograph byNanae Suzuki
posted2014/05/13 10:30
松井裕樹は一軍デビューで結果が出ず、二軍で調整を続けるが、渡部氏は今なお大きく期待を寄せる。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【第2打席】「派手な試合が続く阪神。勝てばそれはそれでいいんですけど」
~私的虎党雑談~
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
――海の向こうではヤンキースの田中将大がやってくれていますね。4試合に投げて3勝0敗。防御率も2.15とか抜群の安定感を誇っています。
「さすがですね……もっと気になるのは阪神ですけどね! なんなんですかぁ、開幕10試合で2けた被安打が8試合って……2けた安打じゃないですよ。2けた『被』安打ですよ!!」
――話題が驚くほど変わりましたね(笑)。
「だってそうでしょ! 最近は少し落ち着いたけど……」
――能見(篤史)投手、開幕戦でまさかの10失点。
「いきなりの衝撃だからね(苦笑)。ほんと、最初のほうってピッチャー全員が打ち込まれてるって印象しかなくてさぁ。毎試合のように乱打戦になってピッチャー7、8人投げるわ、キャッチャーも3人くらい出てくるわで、スポーツ新聞のテーブルスコアがこ~んなに長くなっちゃって(笑)。番記者さんたちもスコア付けるの大変だろうなぁって妙な心配とかしちゃってさ」
――藤浪(晋太郎)、メッセンジャーと先発陣もいまいちピリッとしないですしねぇ。
「だんだん調子を上げてくれるとは思うんだけど、ファンとしてはやっぱり『もっと頑張ってもらわないと』と言いたくなるじゃない。あの、よくスポーツ新聞とかの見出しで“投壊”って言葉使われるじゃないですか。『こんな分かりやすい投壊ってないな』って思っちゃうくらいだから(苦笑)」
「石速球」、魅力的ですよねぇ。
――でも、ルーキーの岩崎(優)が頑張っていますよね。
「初登板(4月2日)の中日戦でプロ初勝利。これまで2勝ですか。頑張ってくれていますねぇ。だからね、投手陣だけで言えば『若手に切り替える』とかで起用方針を考えるんじゃなくて、とにかく状態のいい選手をどんどん注ぎ込んでいくしか道はないと思うんですよぉ」
――新守護神の呉昇桓(オ・スンファン)はよさげですよ。
「『石速球』、魅力的ですよねぇ。そこに繋ぐまでピッチャーが大炎上しなければやってくれると思います! 打線はすごくいいから」
――打ちまくってますよねぇ。チーム得点はダントツトップの162点、打率もほぼ3割とか……。これも、「飛びすぎる」統一球の恩恵ですかね?
「それはどうか分からないけど、とにかくみんな打ってますよね。マートン選手なんて一時期200打点ペースで打ちまくっていたし、開幕前は『ダメなんじゃないか……』って心配していたゴメス選手も、和田(豊)監督が持っている開幕から24試合の連続出塁記録を超える27試合とか活躍してくれているし、大和選手や上本(博紀)選手も3割打ってますしね。だから、余計に攻撃と守りのアンバランスさが際立っちゃって(苦笑)。
ただ、こういうチームがどうなっていくのかっていうのも興味はありますけどね。優勝した1985年もこんな感じじゃなかったでしたっけ?」
――はい。チーム打率は2割8分5厘、本塁打219本、防御率は4.16でした。
「じゃあ、今年は優勝かぁ……なんて甘い考えをしているとダメになりそうなんで、そういうことはあんまり考えないようにします!」