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アンジャッシュ渡部建が考える、
統一球、ルーキー、阪神の戦いぶり。
text by
渡部建Ken Watabe
photograph byNanae Suzuki
posted2014/05/13 10:30
松井裕樹は一軍デビューで結果が出ず、二軍で調整を続けるが、渡部氏は今なお大きく期待を寄せる。
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【第5打席】「チームスローガンって、どの球団も凝っているんですねぇ」
~私的スローガン考察~
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――開幕から1カ月が経ちました。
「はい」
――なんで、今ここでチームスローガンをおさらいしたいと思います。
「ありますよね、スローガン。でも、今さらなんで? それって、キャンプ前とかに決めるよね」
――そうなんですけど、スローガンに見合った戦いを見せているか? そんなところをお聞きしたく。
「分かりました。すいません、改めて各球団のスローガンを教えてもらっていいですか?」
――オッケーです。ラインナップはこちらになります。
「ん? こんなやりとり、前にもしなかったっけ?」
――しましたっけ? まあ、いいじゃないですか(笑)。というわけで、スローガンはこちらになります。
(セ・リーグ)
巨人 『雄志』
阪神 『Go for the Top 熱くなれ!!』
広島 『赤道直火 RED ALL THE WAY 赤く、熱く、真直ぐに。』
中日 『Start it Again 強竜再燃』
DeNA 『心』
ヤクルト 『這い上がれ SPIRIT OF CHALLENGE』
(パ・リーグ)
楽天 『HEAT UP!! SMART & SPIRIT 2014』
西武 『全力! ライオンズ 攻めも、守りも、応援も。』
ロッテ 『翔破 頂点へ、今年こそ。』
ソフトバンク 『俺がやる。』
オリックス 『進撃2014 さらに、ひとつになろう』
日本ハム 『前進せよ ~トゥミコロクル~』
「日本ハムは、トゥミ……コロ……クル? これ、アイヌの言葉ですかね?」
――みたいです。アイヌ語で「トゥミコロ」は戦うで、「クル」は人とか男を意味しているみたいで、総じて戦士みたいになるようです。
「へぇ。こうやってひと通り見ていくと、阪神の『熱くなれ』とか広島の『赤道直火』とか、『熱くなる系』が多いですね。こういうのって、誰が決めているんですか? 広報とかになるんですかねぇ」
――どうなんでしょう。自分も聞いたことがないから分かりませんけど、広報はもちろん、営業部門や監督、選手とかの意見も反映させているんじゃないですかね?
「なるほどね。『これで1年間、戦うぞ!』って言葉だから誰かの一存で決められるもんじゃないですもんね」
カープファンのみなさん、ごめんなさい。
――渡部さん的には、どれがインパクトありましたか?
「やっぱりカープですよね。炎がブワーっと出ているロゴも含めてカッコいいですよね。スローガンそのまま勢いに乗っているし。炎というとピッチャーが炎上しちゃいそうなイメージも持たれそうだけど(笑)」
――そこは、チームとして大爆発するって感じで(笑)。
「そうそう! そういうことなんです。カープファンのみなさん、ごめんなさい。前言撤回します!!」
――他はどうですかね?
「オリックスの『進撃』っていうのも、4月に首位になったりしたからすごく伝わるし、日本ハムも去年の最下位から前進しようって想いもすごく伝わるし。田口さんはどれが好き?」
――好きってのは特にないですけど、気になるのはヤクルトの「這い上がれ」ですかね。去年、最下位だったからすごく分かるんですけど、館山(昌平)とか村中(恭兵)とか怪我人が続出で、「このままだと這い上がれないんじゃないか?」とかいらぬ心配をしたり。あと、DeNAの「心」も……今の感じだと……って印象です(苦笑)。
「『心』ねぇ。……あのぉ、言葉としては素晴らしいし、一文字だからストレートな想いも伝わるんだけど、他のチームが凝っているだけに、そう言われてみると『もうひと言、付け足してもよかったんじゃない?』とは思うよね」
――ちなみに、去年のスローガンは「勝」でした。
「去年も一文字だったんだ……。好きなんだろうね、そういうアプローチ(笑)。まあでも、合っているんじゃないですかね。ベイスターズは今、最下位で苦しんでいますから。『そういうときにこそ心を込めて戦え!』ってことで、選手のみなさんも今一度、スローガンと向き合えばいい方向に進んでいけるんじゃないでしょうか?」
――うまくまとめましたね(笑)。
「別にまとめてないけどね。本当にそう思っただけだから!」