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「こんなにあっさり勝っていいのか」
宮里優作が乗り越えた不吉な“格言”。 

text by

桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

PROFILE

photograph byYUTAKA/AFLO SPORT

posted2014/04/27 10:40

「こんなにあっさり勝っていいのか」宮里優作が乗り越えた不吉な“格言”。<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

家族が見守るなか待望の1勝目を挙げた昨季最終戦のJTカップから、わずか4カ月で2勝目を手にした。

最高の流れが寸断された後に試された精神力。

 そして続く7番(パー4)で、高台で強烈なアゲンストの風を浴びながら、宮里はティショットでいとも簡単にフェード系の球を打ち、フェアウェイの右サイドをとらえた。

「野球でいったらノーヒットノーランをしていた投手が、ヒットを打たれた後に、どうするかというようなもの。その状況でサラッとあのボールを打てたのは大きかった」

 と杉澤はその1打の大きな意味を説明する。最高の流れを寸断した直後に放ったショットは、これまで積み重ねてきた技術、精神力を信じ、わずかなオフの間にそれを上積みさせた成果だった。

「10年があったから、この2勝につながった。決して簡単ではなかった」という言葉に、宮里のプライドがにじむ。自分を正しく評価して手にした2勝目。前だけを、上だけを見るのではなく、むしろ後ずさりして、正しい位置に足を踏み出した結果だった。

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