青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER

世界を驚嘆させた「58」の偉業。
やはり石川遼からは目が離せない! 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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posted2010/05/16 08:00

世界を驚嘆させた「58」の偉業。やはり石川遼からは目が離せない!<Number Web> photograph by KYODO

18ホールでの世界主要ツアー最少スコアは米国ツアーで59、欧州ツアーが60。ちなみに、丸山茂樹は、2000年の全米オープン選手権の米国での最終予選(ツアー大会ではない)で58を記録している

 泳ぎ続けていなければ死んでしまうマグロのように、石川遼というプロゴルファーは注目され続けていないと息もできないのかもしれない。

 5月2日に行われた中日クラウンズの最終ラウンド、石川は「58」という驚愕の数字を叩き出して逆転優勝を飾った。

 世界主要ツアーでの最少記録という衝撃度はもちろんのことだが、このタイミングでの偉業達成に余計に驚かされた。そこには注目を浴びずにはいられない石川の天性の資質がよく表れていたように思える。

結果を出さない賞金王から世間の視線は離れていった。

 今季の石川を振り返ってみよう。

 日本の賞金王として臨んだ2月からの米国遠征ではパッとした成績を残せないまま、マスターズでも見応えのある戦いは見せたが、結果としては2年連続の予選落ちに終わった。

 さらに、マスターズ翌週の国内ツアー開幕戦は初日に77を叩いて88位と大きく出遅れ、いいところなく予選落ち。開幕2戦目のつるやオープンでも最終日の優勝争いの輪には加われなかった。

 2010シーズン序盤の4カ月、石川の成績は落胆するほどのものではなかったが、膨張し続ける期待に応えられなければ世間の注目度はすぐにしぼんでしまう。

 そうして迎えた中日クラウンズだからこそ、石川への期待度は決して高いものではなかったのだ。

衝撃的な「58」で石川は再び“時の人”にカムバック!

 同大会でのこれまでの成績は、一昨年が予選落ちで昨年は29位。箱庭のように小さくトリッキーなコースに、石川の大きなゴルフははね返されっぱなしだった。

 案の定、3日目までは思ったようなゴルフができずに、話題の中心は丸山茂樹や藤田寛之といったベテラン勢であったり、国内の女子ツアーやメキシコで優勝争いをしている宮里藍であった。

 そうした状況から、すべてをひっくり返す「58」である。

 新聞、テレビはもちろん大々的に報じ、世界にも衝撃的なニュースとして打電された。世間の視線は一斉に石川に向いた。こうして石川は再び“時の人”に返り咲いたのだった。

【次ページ】 石川は忘れた頃に驚愕のパフォーマンスを見せつける。

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