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グアルディオラが苛立ちを露にした夜。
マドリーにあった“ペップ流”への免疫。 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

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photograph byAP/AFLO

posted2014/04/24 12:35

グアルディオラが苛立ちを露にした夜。マドリーにあった“ペップ流”への免疫。<Number Web> photograph by AP/AFLO

「今日はいい試合だった。次はより改善できると信じている」とセカンドレグへの自信を伺わせるコメントを出したグアルディオラ。

2つのサッカー観の戦いはミュンヘンへ。

 リーガでも優勝争いを続けるマドリーの多くの選手のコンディションは万全ではなく、走れる選手が少なかったことも、この試合展開に影響した。

 前日から風邪を引き練習にも合流していなかったベイルと、負傷あけのクリスティアーノ・ロナウドの状態は、「共に50%程度」(アンチェロッティ)。現マドリーの最大の武器であるこのふたりの状態が思わしくなかったことを考えると、最小差の勝利とはいえ、この結果はマドリーにとっては大きかったといえる。

「試合は支配されたけど、1-0は満足できる結果だ」

 セルヒオ・ラモスの言葉は選手全員の思いだろう。

 グアルディオラは「ミュンヘンでもマドリーは引いてカウンターを仕掛けてくる」と言った。第1戦よりも良い状態のロナウドとベイルが繰り出すカウンターを、バイエルンはどう抑えるのか。そして、恐らくは再び70%に迫るであろうポゼッションを、いかに得点に結びつけるのか。

 グアルディオラの曲げられない哲学とそれゆえの葛藤が、ベルナベウのピッチにあった。

 1週間後のミュンヘン、彼は自身のポゼッションサッカーが正しいことを証明するため、今季最大の試合に挑む。

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