フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生結弦、五輪王者としての初舞台。
「追われる立場」での世界選手権へ。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2014/03/12 10:30
ソチで世界の頂点に立った羽生結弦。「五輪王者」という肩書きの意味は、ここからの彼の歩みにどんな色合いを加えるのだろうか。
追う立場から、世界中に追われる立場へ。
追う立場から追われる立場へ。攻めるよりも、守る立場というのはつらいもの。どの選手も、口を揃えて言う。そのことは本人もよくわかっている。
「これからは試合に出るたびに五輪チャンピオンという肩書きを背負っていかなくてはならない。だからもっともっと強くなりたいです。ぼくの中では、やはり五輪チャンピオンといえばプルシェンコ。彼のような強いスケーターになりたい」
その憧れのプルシェンコは、羽生と同じ19歳のときにソルトレイクシティ五輪に出場し、ヤグディンに敗れて銀メダルに終わった。彼ほどの選手が成し遂げられなかった記録を作った羽生だが、選手として真価が問われるのは、これからの彼がどのように成長をしていくかにかかっている。
そしてその再挑戦の初舞台は、さいたまスーパーアリーナ。新五輪チャンピオンとして挑戦する。