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J開幕戦で「セレ女」を探してみた。
「蛍、しゃべるとかわいいやん?」
text by
芦部聡Satoshi Ashibe
photograph bySatoshi Ashibe
posted2014/03/07 10:35
J1開幕戦で遭遇した「セレ女」のサキちゃんとアキちゃん。確かに、スタジアムで彼女たちの出で立ちはよく目立つのだ。
喪女(もてない女性を指す)、鬼女(2ちゃんねるの既婚女性板に書き込みする人たち。驚異的な調査能力で事件当事者の個人情報を暴き立てる)、リケ女(割烹着)……。「○○女」なる造語が飛び交う昨今だが、Jリーグ業界では「セレ女」なることばが流布している。
セレッソ女子。本来のJリーグ用語としては「セレッソ大阪堺レディース」を指し示すのが、「セレ女」と略すと「セレッソサポーターの女子」ということになるらしいのだが、いっとき流通した「カープ女子」同様、なんだかなあという造語ではある。
「2013年シーズン、J1全体が1試合平均観客数を昨季より約3%落とすなか、セレッソ大阪は約11%増えた。その原動力となったのが『セレ女』である」
たいていこういった文脈で、セレ女という造語が使われる。さらにセレ女を引きつけるのが、柿谷曜一朗や、山口蛍&扇原貴宏のロンドン五輪代表コンビを中心とする若手選手ということになっている。
誰が言い出しっぺなのかは知らないが、ふだん女性に接する機会に乏しいおっさん記者がスタジアムでたまたま若い女性を見かけると「こんなところにギャルが!」と強く反応、「ギャルはイケメンが好き」という思い込みから、セレ女なる造語を思いついた……おおかたこんなところだろう。
サポーター記念撮影人気はフォルラン圧勝。
非常におっさんくさい造語ではあるにせよ、こういう造語がうまれること自体、セレッソ大阪の勢いというのを示していると思う。昨シーズン、クラブ史上初のJ2陥落という苦汁をのんだガンバ大阪に「ガン女」がいるという話は寡聞にして聞かない。
それでも、そもそも「セレ女」はホンマにおるんやろかという疑念は残る。数年前、セレッソの試合を観に行ったときは、女性といえばサッカー好きのカレに連れられてきたカノジョがほとんどだったんやけど……。セレ女はおっさん記者の妄想の産物では?
という疑いを抱いて、開幕戦のヤンマースタジアム長居に足を運んだ。