フットボール“新語録”BACK NUMBER
本田移籍問題でイメージ低下も……。
ロシア経由4大リーグ行きの将来性。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byAFLO
posted2013/12/16 10:30
CSKAモスクワ時代の本田圭佑を取り囲むFCクラスノダールの選手。この10月のアウェーでの対戦では1-5と敗れたものの、12月のホームでの試合は1-0とCSKAを下した。
クバンの下部組織で『ホンダ!』と呼ばれる少年。
モスクワから約1500km離れているが、飛行機なら約2時間で移動できる。街中にTANUKIやYAKITORIYAといったリーズナブルな日本食チェーンが数店あり、食事も困ることはないだろう。
あくまで個人的な感想だが、気温、渋滞、人口密度という点で、モスクワよりはるかに過ごしやすいと感じた。
クラスノダールに留学中の15歳、橋田征憲くんも、この見方に賛成してくれた。
橋田くんは「英語は簡単だと思うので、そのうち話せるようになる。だからあえて情報がないところに飛び込んでみたい」と思い立ち、今夏にクラスノダールにやってきた。留学期間は1年間。滞在3カ月だが、すでにホストファミリーや同級生とロシア語で会話できるようになっており、放課後はクバンの下部組織でプレーしている。
「元々サッカーをやっていたので、こっちでもやってみようと思ってテストを受けたら合格しました。ポジションはトップ下。『ホンダ!』って言われます(笑)」
ホストステイ先がクバン・スタジアムの近くにあるため、よく試合にも足を運んでいる。
「ゴール裏なら、チケットが日本円で150円くらいなんですよ。このまえはアンジとの南部ダービーに行きました。『アンジとの試合後は必ず喧嘩があるから早めに帰って来い』と言われていたので終了10分前にスタジアムを出たんですが、案の定、両サポーターが衝突したみたいです。どの試合後も、スタジアム付近はお祭りのようになる。試合のある日は、クラスノダールの街全体が活気づきます」
EL出場の古豪と、2008年創設の新興クラブ。
クバンは昨季ロシアリーグで5位になり、今季はヨーロッパリーグ(EL)に出場している。クラスノダール地方知事のアレクサンドル・トカチョフがチェアマンを務めており、自治体が全面的にバックアップ。1928年創設の古豪で、人気面では地元のライバルを大きくリードしている。
一方のFCクラスノダールは2008年に創設されたばかりで、大手スーパーチェーン「マグニト」のオーナー、セルゲイ・ガリツキーがオーナー。新興クラブという印象は否めないが、育成アカデミーを建設するなど、イメージアップに取り組んでいる。現在6位につけており、3~5位に与えられるEL出場権獲得も夢ではない。