初制覇のGIは連覇する武豊の不思議なジンクス。

　手綱をとるのは武豊。この馬が2歳新馬戦を勝った2010年秋、「来年のクラシックの騎乗馬は、トーセンラーかダノンバラードになると思う」と、早くから高く評価していた。3歳初戦の福寿草特別で3着に敗れてから手を離れていたが、今年2月の京都記念でコンビ復活。キズナでダービーを勝って王手をかけた「GI100勝」を飾るにふさわしい相棒だ。武は、去年初めてこのレースを勝ったのだが、ダービーもエリザベス女王杯も「なかなか勝てない」と言われながら、初制覇をやってのけると、どちらも連覇した。2度あることは3度ある、かもしれない。

同じく京都に強いダークシャドウ、復調の気配あり。

　今年の安田記念で6着になっているが、それが唯一のマイル戦で、そのほかは1800m以上のレースしか経験のないダークシャドウ（牡6歳、父ダンスインザダーク、美浦・堀宣行厩舎）も別路線組と言える。

　一昨年エプソムカップ、毎日王冠と連勝し、つづく天皇賞・秋で2着に惜敗したころがピークだったが、スローで上がり勝負という不得手な競馬となった前走の毎日王冠でしぶとく伸びて5着に来た走りを見ると、2年前の秋に近い状態のようだ。京都芝外回りは2戦して2着2回と、これも相性がいい。

　その毎日王冠で3着だったクラレント（牡4歳、父ダンスインザダーク、栗東・橋口弘次郎厩舎）も、そこそこ人気になるだろう。去年のダービーまでは2000m以上のレースにも出ていたが、秋以降は1400mから1800mにターゲットを絞り、馬がマイル前後で力を出す走りを完全にマスターしたように見える。

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