三食見学ツアーBACK NUMBER
古木克明/格闘家
「リングで見せるフルスイング」
text by
芦部聡Satoshi Ashibe
photograph bySatoshi Ashibe
posted2010/12/29 08:00
「不安はあるけど充実してます」とデビューを心待ちに
野球選手時代は「毎日ここまで追い込むことはなかった」。
「スパーリングでパンチを顔面に食らったときに頬骨を陥没骨折しちゃって『まともに当たると大変なことになる』と学びました。脅えてはダメだけど、警戒心は必要なんですね」
不用意に顔面を強打されると骨折するということは、どこぞの歌舞伎役者も覚えるべき豆知識だろう。稽古後の朝食は「なぜかごはんよりも腹持ちがいい」という理由からパンを選択。じきにつぎの練習が始まるので、軽めに済ます。
「今日は昼前から高田道場で打撃とレスリングの練習です。湘南にいるトレーナーにも指導してもらっていて、ビーチを走り込む日もある。野球ってキャンプのときはハードに練習するけど、シーズン中はそれほどでもない。毎日ここまで追い込むことはなかった」
打撃を繰り出し、タックルで相手を倒す一連の動作を、真剣な面持ちで繰り返す。スムースなムーヴは格闘技歴1年のそれではない。競技は違えども、アスリートとしての勘の良さは共通する部分があるのかもしれない。練習後、道場近くのスーパーで食料品を買い込んでから、自宅まで20分ほどの道程を歩く。
「今日は妻が外出しているので、自分で料理をつくります。気分転換にもなるし、料理をするのはけっこう好きなんですよ。外食する機会もあるけど、基本的には自宅で食べますね。今は10時ぐらいになると眠くなっちゃうので、夜遊びもしなくなった。野球選手のときよりもマジメになりましたよ(笑)」