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清武・長谷部が迎えた“曲者”新監督。
攻撃スタイルが2人に与える影響は?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byTakamoto Tokuhara/AFLO
posted2013/10/30 10:31
ビージンガー前監督解任の際に「自分自身の責任も感じている」と発言した長谷部。新体制ではさらに攻撃的な役割を課せられた。清武とともにチームを牽引したいところ。
就任初戦にして、早速現れたチームの変化。
果たして、新監督就任から3日間の練習をしただけで臨んだ10月25日のシュツットガルトとのアウェーゲームは1-1の引き分けに終わった。
試合後に清武は「もうちょっと前からいければ(ボールを奪いにいければ)良かった。後半に相手が疲れてきて、ゲームは作れてきたのでそこは良かったと思うんですけど、(前半は)ゲームは作れていなかった」と言葉を選びながらも、こう続けた。
「今回の監督はすごく攻撃的です。『守備をしているときも常に攻撃のことを考えろ』、『攻撃のために守備をしろ』と言ってくれるので。これが浸透してくればすごく良いなと思います」
確かに、これまでの試合では見られなかったようなテンポでパスがつながっていた。短くつなぎ、サイドに大きく展開して、そこからクロスを入れるシーンが度々見られたし、ボールを持っている選手の後方から新たに別の選手が飛び出していく場面もあった。
以前のニュルンベルクではあまりお目にかかれなかったシーンだ。
だからこそ、長谷部もポジティブな手ごたえを口にする。
「今日のゲームも、やってても明らかに自分たちのサッカーが変わってきてる」
長谷部のポジションはボランチからひとつ前へ。
フェルベーク監督の初陣となったシュツットガルト戦でのフォーメーションは「4-1-4-1」で、2列目の中央に清武と長谷部が並ぶような形となった。チームの攻撃の要である清武だけでなく、長谷部も攻撃面で求められるものは多くなる。それを誰よりも理解しているのは長谷部自身だ。
「自分の役割は8番のポジションというか……ボランチでもなく、トップ下でもない、(その中間)みたいなそういう感じです」
長谷部は浦和レッズ時代には守備だけではなく、攻撃での貢献度が高く、印象的なゴールをいくつも決めている。その浦和時代と似たような役割を果たすことになるのだろうか。
「いや、それよりも、もっと前(のポジション)ですね。守備の時なんかはちょっとツーシャドウの一角みたいな感じになるし。ただ、自分たちが持ってるときは、下がってゲームを作ってくれっていう風にとも言われるし。まあ、自分の役割は非常に大きいかなと思います」