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3年ぶりにCS進出の阪神に奇策あり。
巨人を見据え、広島といかに戦うか。 

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氏原英明

氏原英明Hideaki Ujihara

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photograph byHideki Sugiyama

posted2013/10/10 12:00

3年ぶりにCS進出の阪神に奇策あり。巨人を見据え、広島といかに戦うか。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

シーズンを戦ってきた正攻法で巨人に挑むか、短期決戦に奇襲を練るか。広島との戦いで、和田阪神の方向性が見えるはずだ。

権藤博も注目した、阪神での上本の異質さとは。

 そんな上本のことを、「嫌な選手」と評したのが、去年まで中日の投手コーチを務めていた権藤博氏だ。権藤氏は、日刊スポーツのウェブサイトにて「虎改造論」のコラムを連載中。その中で、上本をこう評価している。

「嫌だったのは上本ですね。おとなしい選手が多い阪神にあって非常に積極的で攻撃的でした。小さいけどパンチ力があるし、打席で醸し出す雰囲気がいい。たとえば変化球の見送り方。打ちにいって見逃したのか、合ってないから見逃したのか。若いのにその雰囲気を出さない。ほとんどの選手が出るけど、出ないからこちらは何を投げていいか不気味でした。ファウルでも粘れるし、最後は自分が強い真っすぐを投げさせる状況に持っていく。経験を積めばもっといい選手になるでしょう」

 阪神の対戦相手だった元コーチの証言だから、これは的を射ているのではないだろうか。

 今シーズンの「良い形」を踏襲するなら、1番に西岡を据えたオーダーになるのだろう。だが、その戦いでは、巨人に勝つことが厳しいというのが今年のペナントで出た結果だった。

巨人を相手に同点弾でCSに勢いをつけて。

「CSを前に、上本の復調は大きい。ヘッドが立つようになってきたから、それがいい結果につながっている。(上本は)足が使える選手だし、そんな選手が調子を上げてきたのは、CSに向けていい材料だと思う」

 10月4日のヤクルト戦のあと、和田監督はそう話していたが、それ以後は、スタメンに上本の名前を書いていない。しかし、翌5日の巨人戦では、途中から出場した上本が、8回裏に、起死回生の同点3点本塁打を甲子園のバックスクリーンに放りこみ、逆転勝利に貢献している。

「相手が嫌がる打線」を組み、スピードを重視した野球でペナントレースとは違う戦いを目指すことも、CSを勝ちぬく意味でアリの采配だろう。

「4番・鳥谷」の是非はともかくとしても、上本というピースを使わない手はない。

 果たして、和田監督はどんな手を打つのだろうか。

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