ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
辛勝のシャルケがCL本戦出場決定!
内田篤人が語った2つの“嬉しいこと”。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2013/08/28 12:05
CLのかかった重要な一戦で、1st、2ndレグともにフル出場し、2季連続となるCL本戦出場に大きく貢献した。欧州トップクラブとの対戦を内田も楽しみにしていることだろう。
内田が意識するサイドバックの理想形とは?
この試合ではチーム最多の80本のパスを試みて、同じく最多となる56本のパスを通した。ビルドアップに参加して、攻撃を組み立てるという本来の長所はしっかりと発揮していた。求められるのは、その先のプレーだ。
内田は先のインタビューで、このようにも語っていた。
「ガンガン前に走って、クロスを上げるようなサイドバックは目立つんだけど、そこを一つ超えると……。ゲームやリズムを作り、チームを落ち着かせる選手という理想が見える」
ディフェンスだから失点を許してはいけないのは大前提。ただ、相手に裏をとられないことばかりに気を使っていては、さらなる成長は望めない。
過剰なリスクを冒さないように気を付けながら、チャンスの匂いをかぎつける能力と、攻撃に参加してゴールに絡む仕事を増やしていく。そんなサイドバックらしいスタイルで内田は前に進んでいくのかもしれない。
中村俊輔の記録を抜くことも確実視されるが……。
CL出場を決めたことで、左MFを務めていたバストスが退団したあと一向に進んでいなかった選手補強が一気に進む可能性が高まった。
とはいえ、守備のさらなる増強など、課題は依然として残っている。
CL本戦の組み合わせでは、第2シードに組み込まれることが確実となっているとはいえ、現時点ではCLでの躍進を楽観的に考えることは出来ない。
そんな状況で内田は、何をすべきなのだろうか。
実は、内田は昨シーズンまでにCLで16試合出場しており、このまま行けば中村俊輔の持つ17試合というCL通算出場記録を抜くことが確実視されている。
「記録なんて、そのうち誰かに抜かれるでしょ」
それが内田の口癖だ。
ひとりの日本人選手としてCLで着実に足跡を残していきながらも、苦闘が予想されるシャルケのレギュラーとしてどこまでチームの躍進に貢献できるのか――。
今シーズンにおけるCLでの、内田とシャルケの見どころはそこにある。