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辛勝のシャルケがCL本戦出場決定!
内田篤人が語った2つの“嬉しいこと”。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2013/08/28 12:05
CLのかかった重要な一戦で、1st、2ndレグともにフル出場し、2季連続となるCL本戦出場に大きく貢献した。欧州トップクラブとの対戦を内田も楽しみにしていることだろう。
スッキリ勝ちきれない、シャルケの現状とは?
43分、DFラインまで下がってボールを受けたジョーンズのロングフィードに反応した内田は、右サイドの裏のスペースでボールを受けた。そのまま中に運ぶと、右足のアウトサイドでゴール前にパスを送る。負傷中のフンテラールに代わり、センターフォワードの位置に入っていたシャライがこれを押し込んで、良い時間帯にシャルケが先制を果たし、試合はそのままハーフタイムを迎える。
ところが、そのまますんなりと勝てないのが、今のシャルケだ。
後半8分、両センターバックの間にスルーパスを通されると、アタナシアディスにゴールを決められ、試合は振り出しに戻ってしまう。シャルケはDFラインがバラバラで、マークも甘い。さらに中盤から前で上手くプレッシャーがかからないため、その後も簡単にスルーパスを通されてしまう。
さらに、後半19分にはジョーンズが2度目の警告を受けて退場を命じられた。
それでも後半22分にドラクスラーが相手キーパーをかわして、勝ち越しゴールを決める。その後、マイヤーに代えてボランチのノイシュタッターを投入。守備をかためるが、安定感は取り戻せない。
後半34分にはFKからカツラニスにヘディングでのゴールをゆるし、2-2の同点に追いつかれる。その1分後には、ストフにエリア内に侵入され、右ポストをかすめるシュートを打たれるなど、試合は相手ペースに傾きかけた。
ただ、後半38分にファルファンを下げて、本職がセンターバックのマティプをボランチの位置に送り込んだことで、守備がようやく安定する。
そして、後半ロスタイム。
高い位置をとっていた相手のDFライン裏にマティプが送ったパスにドラクスラーが抜け出し、2人をかわして中央に折り返す。これをシャライが押し込んで3-2。
ようやく勝負は決した。2戦合計4-3としたシャルケが、CL本戦へ進むことを決めたのだ。
CL出場が無かったら、すべての努力が無駄になる。
夜なのに気温は30度を少し下回っただけ。風が抜けずに蒸し暑さの残るMIXゾーンに現れた内田は、こう口を開いた。
「次(CLの本戦に)行ける。それが一番大事。次につなげることが大事だからね。これがダメだったら、今シーズンだけじゃなくて、昨シーズンの頑張りも無駄にしちゃう」
続いて、ハノーファー戦前日のケラー監督とのやりとりについては、こう明かした。
「まぁ、ちょっと勇気がいったけどね。俺の中には(出場回避をにおわせることは)それまで、あまりない選択肢だったから。最初は『行くよ、大丈夫だよ』と監督に言ったんだけど、もう1回『大丈夫か?』と聞かれて、そう(太ももの張りを)答えたんだよ。(監督は自らの性格について)もう完全にわかっているよね(笑)」