ブンデスリーガ蹴球白書BACK NUMBER
優勝候補から消えていくバイエルン!?
マリオ・ゴメスは救世主になれるか。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2010/11/09 10:30
マリオ・ゴメスの活躍は好材料だが優勝争いからは後退?
昨シーズンのオリッチのように、チームをけん引していきそうな選手がいる。今季開幕時には3番手のフォワードとしてスタートしたマリオ・ゴメスが、クローゼとオリッチの負傷により、チャンスをつかみ、現在は好調を維持している。最近の6試合でハットトリック2回を含む、8ゴールの固め打ちだ。周囲からの期待は日に日に高まっている。
一方で、各ブックメイカーはシーズン前にバイエルンを優勝候補の筆頭だと予想していたのだが、現在はすでにドルトムントに次ぐ2番手に挙げるようになった。また、今季と同じようにちょうどワールドカップ直後のシーズンとなった4シーズン前には、リーグが混戦となり、シュツットガルトが優勝を飾っている。今季のバイエルンにはワールドカップに端を発するけが人が多いため、4シーズン前のような事態が繰り返されるのではないかとみられている。
今回の内紛がチームにもたらす影響は……。
ヘーネスの発言についてメディアが騒ぎ立てたことで、バイエルンは火消しに躍起になり、11月2日に慌ててプレスリリースを発表することになった。その内容は以下のようなものだ。
「ヘーネス会長とファンハール監督は議論の結果、バイエルンの利益のために、これからもともに力を合わせていくことで意見が一致しました」
ただ、公の場でファンハールをほめたたえてから1カ月後には、批判を口にしていたヘーネスのことだ。今回のクラブ発表も、さして大きな意味は持たないだろう。
果たして、今回の騒動は何をもたらすのか。選手たちの奮起を促し、それが昨季のような快進撃につながるのか。それとも、CL出場権をも逃してしまった4シーズン前の再現となるのか。昨季のターニングポイントとなった11月は、今季の行方を占う上で注目の1カ月なのである。