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マンUのルーニー移籍騒動で見えた、
「マネーの威力」と「スターの権力」。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2010/10/27 10:30

マンUのルーニー移籍騒動で見えた、「マネーの威力」と「スターの権力」。<Number Web> photograph by AFLO

試合2時間前にルーニーが移籍志願の声明文を発表したブルサスポル戦で、残留を願うプラカードを掲げるユナイテッドサポーターの少年

 マンチェスター・ユナイテッドを舞台に、10月12日から10日間に渡って繰り広げられたウェイン・ルーニーの移籍騒動。青天の霹靂とも言うべきエースの移籍志願は、史上稀に見る急転直下の“Uターン”で劇的に幕を閉じた。

 一連の騒動で改めて浮き彫りにされたのは、現在のサッカー界における2つの力の強大さだった。「マネー(金)の威力」と「スター選手の権力」である。

 ことの発端は、ルーニーとアレックス・ファーガソン監督の確執の噂だった。

 ルーニーは不倫スキャンダルが浮上した9月以降の8試合で、わずか3試合しか先発していなかった。ファーガソンは、その理由として足首の怪我を挙げていた。しかし12日の代表戦(モンテネグロ戦)に先発フル出場したルーニーが、「足首は問題ない」と発言したことから、厳格派の指揮官と若き主砲との間に亀裂が生じていると見られるようになったのだ。

試合開始2時間前に決別宣言ともとれる声明文を発表。

 そうしたなか、開幕前の時点でルーニーがユナイテッド残留を拒んでいたという、衝撃の事実が明るみに出た。20日のブルサスポル戦(CL)前日の会見で、ルーニーとの確執を否定したファーガソンは痛切な表情で言った。

「8月14日、デイビッド・ギル(クラブ最高責任者)からの電話で、代理人経由で契約延長に応じる意思がない旨を伝えてきたと聞かされたんだ。何故なのか理解できず、ただただ唖然としてしまった」

 これに対しルーニーは、ユナイテッドの消極的な補強姿勢への失望が移籍志願の理由だと公表した。自身は怪我で欠場したブルサスポル戦(CL)当日に出された声明文には、次のようにある。

“交渉の席でクラブ側にワールドクラスの選手を獲得し続ける意思があることを確認しようとしたところ、明確な回答が得られなかったので契約延長には応じられないと伝えた。自分にとっては、タイトルを狙える環境に身を置き続けることが何よりも重要だから”

 だが、実際に移籍話が進展するとすれば、ルーニーにとってもクラブにとっても、その原動力は「マネー」以外にはあり得なかった。

【次ページ】 移籍をぶち上げた狙いは週給2000万円のギャランティ?

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#ウェイン・ルーニー
#マンチェスター・ユナイテッド

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