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コースはあるけど……施設は未完成。
主催者の謝罪で始まったF1韓国GP。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2010/10/22 11:55
優勝争い中の5人は、ひと言も愚痴をこぼさなかった。
韓国GP開幕を翌日に控えた10月21日木曜日。
バーニー・エクレストンはタイトル争いを演じる5人のドライバーをピットレーンに呼んで、記念撮影会を行った。
工事用車両が行き交うサーキットを背にフォトセッションに姿を現した彼らは、そんな状況に置かれているにもかかわらず、韓国GPに対するネガティブなコメントをひとつも洩らさなかった。
「滑りやすそうだけど、新しいアスファルトってことを考えると仕方ないと思う」(バトン)
「いいグランプリになりそうだから、楽しみ」(ハミルトン)
「レースできないんじゃないかって言う人もいたけど、ほとんど完成しているみたいだから走行には影響ないと思う」(ベッテル)
「周辺の準備にはもう少し時間が必要かもしれないけど、僕は走る準備はできている」(ウェバー)
「99%完成しているようだし、新しいサーキットに来るのはいつも特別な気分になるよ」(アロンソ)
不安を楽しむ余裕――最後まで持ち続けていられるのは、いったいだれになるのだろうか。