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過去の失敗を糧に挑む
凱旋門賞、日本馬の勝算。
~ディープより有利な2つの理由~
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO
posted2010/10/02 08:00
皐月賞では岩田康誠で快勝したヴィクトワールピサ。武豊が鞍上に戻り世界制覇はなるか
これまでヨーロッパ調教馬以外は勝ったことがない、凱旋門賞の高く、厚い壁を、2騎のサムライが打ち砕こうとしている。
今年の第89回凱旋門賞(10月3日・仏G1・ロンシャン芝2400m)には、皐月賞馬ヴィクトワールピサ(牡3歳)と、宝塚記念を勝ったナカヤマフェスタ(牡4歳)の2頭の日本馬が出走する。かつて'69年のスピードシンボリから'08年のメイショウサムソンまで8頭の日本馬が参戦し、着外、18着、14着、2着、13着、17着、失格、10着。史上最強馬ディープインパクトでさえ、'06年に3位入線後、検体(尿)から薬物が検出され失格という苦い結果に終わっている。が、今年の2頭には「ひょっとしたら」と思わせてくれる要素がいくつもある。