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理不尽な人員削減要求で、
暗澹たる厩務員の今後。
~競馬界に残された解決策とは?~
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byYoko Kunihiro
posted2010/09/25 08:00
世界的に不況のあおりを受けている競馬界、人員削減以外の解決策が見つかる日は来るか
調教師の経営手腕次第で無制限に馬を預かり、走らせることができた大らかな時代は、すでに伝説。現在のJRAは徹底した管理競馬を目指し、粛々と実行している。
馬房の貸与数は基本的に20と決められていて、調教師が雇うことができる従業員(調教助手、厩務員、騎手)の数も合計で13人ときっちり定められている。ところが、ここへきて12人に減らしなさいというお達しが出てきている。これは馬主会サイドからの要望で、預託料の軽減がその目的という。
馬主に請求される月々の預託料は、馬糧費より人件費が占める割合が圧倒的に高い。1人減らせば、請求額が少なくなるのは当然なわけで、馬主会の発言力の強さに対して、JRAがその希望に沿うための努力をしていると見せたがっているのが読み取れる。